6日目
今回は阿木とがいなくなった後にある祭りをクルミ、夕菜、春人の3人ですごす話です
俺は今クルミの病室にいる
俺と夕菜とクルミの三人だ
病室はかすかに光が差し込むすこし薄暗い
そしてこの場の空気も重い
「阿木のやつは着てないのか?」
阿木のやつだらか朝早くからクルミに会いに来てると思った
「多分こないよ…」
「どういう意味だよ」
クルミは俺が来る前まで泣いていたのだろう
手が震えていて目の周りが赤い
俺はクルミではなく夕菜を見た
「なぁ夕菜」
顔色ひとつ変えずに返事を返す
「なに?」
「お前、阿木がどこ行ってるか知ってるか?」
「私が知っていても私から話すことはできないかな」
何を言ってるんだか俺には理解できない
「なぁクルミ、その手紙誰からの?」
クルミが肩ビクらせた
「誰のだと思う?」
俺が知ってる人じゃなきゃこんな返事が返ってくるはずがない
「阿木からのか?」
「そうだよ阿木君からのだよ」
クルミは手紙を俺に渡した
手紙の内容は
クルミへ
僕は夕菜さんに頼んでクルミの人生を長くしてもらいました。
僕もクルミと長生きしたかったんだけど、それは無理なんだって、僕の命はクルミに使って
消えちゃうらしいんだ、こんなことをクルミに相談しないで勝手にしちゃってごめんなさい。
でもね、クルミに相談したら多分答えは、そんなことしなくていい、言われるだろうから無断でしたんだよ、僕はこのことを一つも後悔してないから、クルミが罪悪感を感じることはないからね
クルミが寂しくなったら夢に出てきてなぐさめてあげるよ。
短い5日間を一緒に過ごしてくれてありがとうございました
阿木より
少ない文章で内容も薄いけど、阿木がしたことは大きかった
自分の命をクルミに与えた、普通の人ならできないようなことを阿木はした
「この話を阿木に持ち出したのは俺を病室から追い出したときだよな?」
「うん、春人君がいると多分この話を反対するのは間違いなかったから」
確かにあの時俺は反対しただけど
「反対したと思う、だけどあいつはもうこの世にいないし、今更怒ってもどうにもならないし」
もういないんだし、いまさら阿木を憎めない、ただ消えたんじゃなくて、クルミのためなんだから
「春人君、すこし病室を出てもらえる?」
「あぁ、クルミに話したいことがあるんだろ?なら俺は外にいるから終わったら呼んで」
「うん」
俺は夕菜の返事を後に病室を出た
今病室にいるのは夕菜とクルミの2人
最初にしゃべり始めたのは夕菜だった
「阿木君はクルミの命になれることを嬉しがってたよ」
クルミは首をかしげた
「どういういみ?」
「生きて、クルミのそばにいることが一番の幸せだけど、それもクルミに余命が短いからかなわないから僕はクルミの命としてそばにいたい。だって」
クルミはまたも首をかしげる
「阿木君はそばにいるの?それは夕菜に見えるの?」
横に夕菜は首をふった
「私に阿木君はみえないけど、阿木君はクルミちゃんの中で生きてるのは本当、今までよりずっと近くで阿木君はいるんだよ」
慰めなんかじゃない、阿木の命はクルミのために使われたのだから
クルミは胸に手を当てて自分の心臓の鼓動を確かめる
クルミの手に一定のテンポで振動がつたわる
夕菜は言った
「それに、一生会えないわけじゃない、夢の中に出てきてくれるよ、手紙にもかいてあったでしょ?」
クルミは手紙を読み直して笑った
「夢で阿木君と会えるんだよね、夕菜は天使?」
夕菜はその問いかけに笑って答えた
「天使でも悪魔でもない、ただの死神」
「そっか死神か、それで春人君とはどんな関係なの?」
今の夕菜には難しい質問だった
「それは、ナ・イ・ショ」
「ずるい~!こっちは話したのに!」
夕菜はニコニコしていった
「クルミちゃんと阿木君との関係は聞かなくても分かることでしょ?」
「た、確かに」
「そろそろ春人君を中に戻してあげよ?」
「うん」
夕菜は春人君を呼びに病室を出た
クルミは窓に目線をうつし、手を胸にあてて呟く
「これでよかんったんだよね?」
しばらくして春人と夕菜が病室にイチャイチャしながら入ってくるのを見て
「お二人さん、お似合いですよ~」
クルミが2人をちゃかした
春人は顔を赤くして
「イチャイチャなんかしてない!」
「春人君は?私のこと嫌いなの?」
追い討ちを掛けるように夕菜が俺に問いかける
「そんなことない!」
俺は話を変えた
「それで今日の祭りだけど、クルミはどうするんだ?」
「う~ん、行く相手もいないからお二人さんについていきます」
夕菜は賛成した
「いいんじゃない?人数が多いほうが楽しいし」
クルミは何を思ったのか
「あ、やっぱりお二人のお邪魔をしたくないから」
「いいよ、そんなこと考えなくて俺たちは祭りをたのしみたいだけなんだから」
「ならお言葉に甘えて」
俺たちは祭りを三人ですごすことになった
「祭りまで時間があるから祭り開始の時間にこの病院まえに集合で」
みんなの意見が賛成したので俺と夕菜は病院をでた
「ねぇ春人君、これからなにする?」
「俺はすこしやることあるから、いったん解散でいい?」
「わかった、また祭りの開始のときにここで」
「それじゃ」
俺はすぐに家にむかった
祭り開始の時刻、日は完全に沈みあたり町の覆われた
2人はもう病院の前にいた
「遅いぞ~!」
大声で俺を呼ぶ夕菜
「ごめんごめん、用事が予想以上にながくなっちゃって」
俺は息を切らせながら
「みんな準備はできな?」
「大丈夫」「こっちもOKだよ」
「俺も金はもったし、今日は俺からのおごり」
夕菜が申し訳なさそうに
「なんだか、おごってもらって悪いね」
「気にすんな」
「そうだよ夕菜、春人君がいいっていうんだから」
クルミが話しにわりこんできた
「お前が決めることじゃないだろ」
「おごってくれるんでしょ」
「まぁな」
俺たちは駅前の大通り向かって歩き出した。
すこし遠い道のりなんだが、3人で話しているとあっというまだった
木がライトアップされ光、その周辺には屋台が立ち並び車道は車の立ち入りを禁止され人が歩いてる
「うわ~きれい、うちは今まで病院でしかみられなかったから、わからなかったけど」
クルミは辺りを見わたしている
俺は夕菜に問いかける
「お前はこの祭りは始めて?」
「初めてじゃないよ、もともとこの辺の住人だから」
「そっか」
クルミはお腹をさすりながら
「それにしてもお腹がへった」
「そうだな、その辺の屋台で何か買いながら、あの木の近くまで行くか」
俺は駅前の大きな木を指差した
「そうだね」「そうしよっか」
俺たちは大通りを歩き出した
多くの人が行きする大通りを3人で歩く
俺たちは焼き鳥の売る屋台で足を止めた
「いい匂いだね」
「そうだな、何本か買ってみんなで食べるか」
「うん」
クルミはすごくお腹が減っているようだった
「夕菜は焼き鳥でいいか?」
「うん」
「それじゃ適当に焼き鳥たのんでみんなで食べるか」
俺は財布を取り出して人の列に並ぶ
そこまで人が並んでなかったのですぐに買えた
「はやかったね」
「人がそこまで並んでなかったからな」
俺は手にもってる袋から焼き鳥を取り出し2人に渡してあたりを見回した
道に沿って並ぶ木はどれも光り輝く、思わず焼き鳥を手から落としてしまいそうになる
「春人君、焼き鳥落としちゃうよ?」
「おっと、あぶね」
「何ぼーっと見てるの?」
クルミは俺に聞いてきた
「周りの木をみて驚いてるんだ、綺麗だなって」
クルミは顔を真剣にさせていった
「それは当然だよ、うちと、阿木君が命を使って作り上げた世界なんだから」
クルミと阿木がつくった世界、光あふれる駅前、時々聞こえる周りの人の声、これら全てがクルミと阿木のせかい
「周りの人も驚いてるよ、去年はここまで綺麗にみえなかったもん」
「ありがとう」
「?言われるようなこと言ったか」
クルミは俺の背中を押して歩いた
「うわっ、あぶないだろ」
「ごめん、ごめん、それより夕菜ちゃんも焼き鳥食べ終えてるよ」
「ほんとだ」
「ごちそうさま」
「なら駅前まで行こうか」
俺はクルミと夕菜の手を撮り歩いた
「うちはいいよ」
クルミは手を解こうとしたけど
「駄目、クルミも一緒手を繋いでなきゃ」
「どうして?」
「それは木の前までいってからのお楽しみ」
「わかった」
「クルミ、今日はやけに素直だな」
「クリスマスだもん!」
「そうか」
俺たちは手を繋ぎ会話もしない沈黙の時間をすごした
そこまで距離はないのに会話がないせいか長く感じた
周りは屋台のおじさんの声とかするのに俺たちの周りだけ静けさを感じた。
歩くときに通り過ぎる人たちは、はしゃいでるのに俺達は沈黙している。
そんなしらけた空気のなか、駅前にある大きな木の前まで来てしまった
「ついたな」
夕菜もクルミも無言だけどうなずいた
「俺と夕菜はこの木の前でいつも集合してるよな」
「そうだね、いつもこの場所だった」
「うちも阿木君と始めて会ったときはここだったかな」
俺はクルミに会ったときの状況をきいた
「クルミはどうやってこの場所に着て阿木君とであったんだ?」
「それは・・・」
クルミは言葉を詰まらせた
「そんなに言いにくいことなのか?」
「そうじゃないんだけど、あの時は無茶したな、て思っただけ」
「でなにしたんだ?」
クルミは俺を見るのではなく木を見ていった
「病院に居るのが嫌になって、こっそり抜け出して走ってこの木の前で体力がつきちゃって、そのばに座ってたら、阿木君がきて水をくれたから、そのお礼に阿木君のお手伝いするっていってから、今までずっと一緒だった」
かすかにクルミの目から涙が流れる
「そっか」
俺は話を変えて
「俺から皆さんにプレゼントです」
俺はまず夕菜に封筒を渡し、クルミにテガミを渡した
「まずクルミがテガミを開けて読んでみて」
クルミはテガミを読んでいった
「これって、どういうこと?」
「それは我が家で暮らしませんか?って書いてある手紙」
そう俺がクルミへのプレゼントは
「俺がクルミにプレゼントするのは、一緒に暮らす家族と家です、もしよければ受け取ってください」
クルミはゆっくりテガミを閉じて
「はい・・・」
顔を下に向けた、頬に涙が伝わるのが解った
俺は夕菜言った
「それは、明日のデート用のチケットだから、明日は夜の5時に、ここで」
「わかった」
「じゃ、また明日」
夕菜が人ごみにまぎれて見えなくなった
「クルミ歩けるか?」
「うん」
俺はクルミの手をとり歩き出した
俺とクルミは家の前に居る
「今日からクルミの家はここだから」
「大きいね」
「たいていは一人で過ごすんだけど、今日からは、親の友達のなかでも俺がよくお世話になってる人とクルミと俺で暮らすことになる」
俺は一緒に暮らせないかもしれないんだけど
「3人?」
「まぁそうなるかな、親は帰ってこないから」
「そっか」
俺とクルミが家に入ると
玄関前で出迎えてくれたのは後藤さんだった
「お久しぶり春人君、それにはじめましてクルミちゃん」
後藤さんは25歳の女の人で父がいないので小さい頃は姉代わりだった
「これからよろしくお願いします、後藤さん」
俺はあいさつすると、クルミに後藤さんを紹介する
「出迎えてくれたのが後藤さんで、昔は姉のようにしたってた人」
クルミはお辞儀をした
「よろしくお願いします」
後藤さんは軽く笑って
「そんなに硬くならなくていいよ、それよりあがって」
俺とクルミは言われるままに上がってリビングに移動した
「今日は疲れた?」
俺はクルミを軽くたたいた
クルミはビクッと驚いた
「そう緊張すんなって、敬語使わなくたって誰も怒らないから」
「うん、今日は疲れた、いろいろあって、まだ頭の整理がついてないけど」
後藤さんは笑っていった
「そっか~、私も春人のお父さんのおかげでクタクタ」
その辺のソファーに座りながら言った
「皆さんお疲れさん」
邪悪な目つきで後藤さんが見つめてくる
「春人君もお疲れ、今日も夕菜ちゃんだっけ?と遊んでたんでしょ?」
「なんで知ってるの?」
「それはね~、この前のパーティーで何かと話題だったし、遊園地でもすごかったし」
俺は驚いた
「なんで遊園地のことまで知ってるの?!!」
「それはあそこの社長が春人君のお父さんだから」
忘れてた、あそこ経営してるの父だった
「お父さん感心してたよ」
「なんで!」
「あいつに人生のパートナーがいるとは、だって」
クルミが話しに加わってきた
「春人くん、夕菜ちゃんとラブラブだもんね」
ジェスチャーをいれながら話してきた
「俺は風呂は入って寝るから」
「明日も夕菜ちゃんとデート」
「まぁね」
俺は寝る私したくを始めた
明日は俺の命の最後、こんな会話をしながらいつまでも暮らしていきたかった
それでも俺の一番の願いは夕菜の彼氏が蘇って、夕菜がずっと笑っていられることだった
つぎはいよいよ
ラストです、これからも、へたなりに頑張ります




