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キッチンカーと巡る異世界グルメ~社畜と無愛想貴族、今日も気ままに屋台旅~  作者: k-ing☆書籍発売中
第一 キッチンカーで異世界へ

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21.料理人、ガソリン問題を解決する

「よし、もうそろそろだぞ!」


 俺たちは町の外に出て、今か今かとキッチンカーの修復を待つ。

 時間も残り1分となった。


「キッチンカーが治ったら、早くハルトの飯を食わせてくれよ!」

『オイラも腹ペコだ!』


 今日の朝も近くにある飲食店に入ってみたが、やはりスパイスが強くて口に合わなかった。

 ゼルフや白玉はすぐに食べるのをやめて、お昼まで待つと言って聞かない。

 嬉しい反面、今後大丈夫なのかと不安にもなってきた。

 このままだと俺がずっと面倒見ることになりそうだしな……。

 もしそうなったら、散々こき使って老後の面倒を見て……いや、それも俺がやりそうな気がする。


「はぁー」

「そんなに肩が痛いなら揉んでやるぞ?」


 違うことでため息をついているのに、勘違いしたゼルフは俺の肩を揉んできた。


「痛ったたたたた! 俺を殺す気か!」


 ゼルフを睨むと、なぜか嬉しそうな顔をしている。

 無愛想な顔も嬉しそうにすると、悪魔みたいだな。


『次はオイラがやるぞ!』

「白玉はそもそもマッサージできないだろ……」

『クゥエ……クゥエエエエエ!?』


 この驚きようだと全く想定外だったようだ。

 羽でマッサージできると思っていたことに、むしろ俺が驚きたいぐらいだ。

 そもそも肩が痛いのはゼルフと白玉のせいだからな。

 キッチンカーで寝ていた時は、座席が分かれているため、特に不便には思わなかった。

 ただ、同じベッドで寝たら寝相が悪いを超えて、運動会のようになっていた。

 何度蹴られてベッドから落とされただろうか。

 それにゼルフは悪夢を見ているのかずっと唸っているし、白玉はご飯の寝言を独唱していた。

 宿屋の女将から生暖かい視線で、「昨夜はお楽しみでしたね」と言われた身にもなって欲しい。

 絶対おかしな勘違いされていそうだ。


「おっ、そろそろじゃないか?」


 そんなことをしていると、キッチンカーがチカチカと光出した。

 念の為に地面に置くと、キッチンカーは少しずつ大きくなっていく。


「うおおおおお!」

「本当に直った……」


 目の前には傷一つ付いていないキッチンカーがあった。

 イノシシにぶつかってできた凹みもなくなっている。


『ハルト、ご飯!』

「俺も腹が減った!」


 ご飯を催促するゼルフと白玉に俺は自然と笑みが溢れてくる。

 これでキッチンカーは元のように使える。

 そう思いながら、荷台部分に入ると異変に気づいた。


「油が新品になってる……?」


 買ったばかりの調味料は山を降りる時には半分ほど使っていた。

 ただ、目の前にある油は新品同様になっている。

 すぐに冷蔵庫を開けると、さらに驚く光景が広がっていた。


「こっちに来た時に戻っているぞ……」


 冷蔵庫の中の食材も異世界に来た時のままになっていた。

 自動修復はキッチンカーだけではなく、全てが新しく作り替えられているってことだ。

 ただ、元に戻るってなると運転席部分は狭くなっているかもしれない。

 運転席に移動すると、さらに驚かされた。


「こっちはそのままなのか!」


 どうやらキッチンカーの拡張はそのままで、キッチンカー自体が修復されたというよりも、復元に近い気がする。

 それならガソリンも戻っているかもしれない。

 そんな淡い気持ちを抱きながら、エンジンをつけてみる。


――ブルン……プッス……スッ


 エンジンはギリギリついた。

 ただ、ガソリンが少ないのかタンクの中のガソリンを必死に集めているような気がした。


【ステータス】

キッチンカー Lv.2 ポイント:2

ナビゲーション 1

自動修復 1

キッチンカー拡張 1

調理器具拡張

電力拡張ユニット

冷蔵/冷凍拡張ユニット

給水タンク拡張 1

排泄拡張

ディスプレイ


◇次のレベルアップ条件:1日売上 30,000円到達(・・)


 モニターでキッチンカーのステータスを確認するが、大きな変化はない。

 タンクの容量も電気の量も変わらない。

 ただ、ガソリンメーターの表示が点滅しているような気がした。


「これって何か意味があるのか……?」


 俺はガソリンメーターに触れると、モニターが切り替わった。


――ガソリンに変換しますか? はい/いいえ


「ガソリンに変換?」


 とりあえず勢い任せで〝はい〟を選択してみた。


――魔石が足りません!


 その言葉に俺は涙が止まらなかった。

 半ば諦めていたが、本当にキッチンカーが魔導具になっているとは思わなかったからな。


「おい、ハルト! 飯は――」


 運転席で静かに座る俺に、ゼルフが扉を開けて声をかけた。


「ゼルフ! 旅ができるぞ!」

「ほんとか!?」


 俺の言葉にゼルフも嬉しそうに抱きついてくる。

 一番旅を続けたかったのはゼルフだったもんな。


「それでガソリンはどうしたんだ?」

「ああ、魔石で代用できるらしいぞ!」


 すぐに給油口のレバーを引っ張り、鞄から魔石を取り出す。

 ガソリンを入れるように魔石を給油口に入れるのかと思ったら、蓋を開ける前に魔石は消えた。

 再び運転席に戻り、ガソリンメーターに触れる。


――ガソリンに変換しますか? はい/いいえ


 今度こそ〝はい〟を選択すると、ガソリンメーターが少しだけ動き出した。


「本当に魔石がガソリンになった……」


 ホーンフィッシュの魔石でガソリンメーターが一つ動いた程度だ。

 ただ、魔石がガソリンの代わりになり、キッチンカーが動くことがわかっただけでも十分だ。


「ゼルフ! 一つずつ魔石を近づけてくれ!」

「おう!」


 ゼルフに鞄を渡して、一つずつ魔石を近づけてもらうと、みるみるうちにガソリンメーターはいっぱいになっていく。


「ハルト、もう魔石が反応しないぞ?」

「ありがとう! ガソリンがいっぱいになったみたいだ!」


 これでガソリン問題も解決した。

 異世界に来てしまったけど、キッチンカーでの商売は再び続けられそうだ。

お読み頂き、ありがとうございます。

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よろしくお願いします(*´꒳`*)

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