タイトル未定2025/06/22 17:40
「はあ。」
今日何度目か分からない溜息を吐く。手元には同窓会を知らせるハガキ。欠席の欄には既に丸がつけてあって、あとはこれをポストに投函するだけだ。ふとスマホの画面がついた。目をやると「お前も同窓会来るよな?」のメッセージ。こんな奴と連絡先、交換してたっけ。ただ一言「行くわけないだろ。」と送りベッドに放り投げた。毎年同窓会の案内が来る、この時期が憂鬱だ。毎年欠席で返信しているのにも関わらず、未だにこうして届くのは何故なのか。ある種の迷惑行為ではなかろうか。
それにしても、今年は暑い。まだ6月半ばであるというのにニュースでは、梅雨前線の消失とか猛暑日がどうとか言っている。じっとりと汗が滲んだTシャツが背中に張り付いて気持ち悪い。エアコンをつければいいのに、リモコンが遠くて面倒という理由から付けていない。あぁ、ハガキを出しに行かなくては。ベッドサイドから立ち上がり、適当なサンダルを履いて外に出る。当然だが、日差しが強い。ジリジリと肌を焼かれる感覚がなんとも不快で、足早にポストへ向かう。どこからか蝉の鳴き声が聞こえる。まだ時期には早い気がするが、これもまた温暖化の影響なのだろうか。そういえば昔は、母方の祖母の家で蝉取りに熱中したものだ。あの頃は色々なことに興味があり、怖いものなんてなかった。でも今は、何にも興味が湧かず怠惰で、そして怖いものばかりだ。こうなってしまったのは一体いつからだったか。思い出せない。