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4 ケルテクラウン近郊の森と冒険者

前回まで、自動魔力吸収と自動魔法吸収がごっちゃになっていましたが、自動魔力吸収で統一しました。

侯爵邸のある街の名前は侯爵領都ケルテクラウン。

ケルテは寒さ、クラウンは王冠のことで、一番寒いとこみたいな地名だ。実際寒いし、冬になれば雪が積もるのだが、この国にはもっと北が存在するので一番寒いところと言うわけではない。

そして、領都の名に恥じないくらいには大きく、また、栄えている街でもある。侯爵領の中心やや南東にあり、周りの村や町から名産品が集まるだけでなく、王都や東の伯父の領都とともつながる重要な街だ。


今日はグランとシリュウを引き連れて、ケルテクラウンの冒険者ギルドに来ていた。

グランが見つけてきたアイテムボックスの講師が冒険者だからだ。

シズクもメイミに預けてきた。ちゃんとお世話をしてくれる人という認識なのだろうか、僕以外だとシズクはメイミに一番懐いている。メイミも触りごごちがよく基本的におとなしいシズクを気に入っているようだった。


冒険者ギルドの内装はイメージ通りのカウンターがあって掲示板があってと言う感じのものだった。


「こんにちわ、シオン・B・シルバーバーグです」


空いている受付のお姉さんに声をかけると少し驚いた表情になり丁寧にお辞儀をされた。


「シオンおぼっちゃま、ようこそいらっしゃいました。冒険者パーティー《赤き竜の爪》は奥の応接室で待ってもらっていますので、案内いたします。こちらへどうぞ」


お姉さんの案内でギルドのカウンターを抜け、奥の部屋に案内される。3人掛けソファーにゆったりと座りお茶を嗜んでいる《赤き竜の爪》の3人はちゃんとした大人に見えた。(自分の周りの大人がちゃんとしていないとは言っていない)

3人はこちらに気づくと席をたちお辞儀をした。礼儀もちゃんとしている。こちらも挨拶を返しソファーに座る。グランとシリュウはソファーの後ろに控えている。屋敷内なら隣に座ってもらうけど、ここは一応外部だしね。僕はそういうところにも気を回せる5歳児なのだ。

挨拶の後は自己紹介のターン。僕のことはみんな知ってるから必要ない?はい。


「ジークです。登録職業(ジョブ)は剣士です。《赤き竜の爪》のリーダーで、主に前衛を担当しています」

黒髪短髪で20代後半に見えるジークはいかにも冒険者のような、ところどころに金属のプレートが付けられた革の鎧を着ている。筋肉もしっかりしており、前世でいうと紳士的なスポーツマンといった印象を受ける男性だ。

「メグです。登録職業は魔法使いです。炎属性レベル4です」

こちらは大きな紫の魔女帽子を被った20代前半に見える女性だ。赤い癖っ毛が勝気な印象を受ける。

「ザクです。弓を使った遠距離攻撃やアイテムボックスを使った荷物運びなどを担当しています」

ん?モビルスー…いや、危ない危ない。このザクさんが今日のメイン講師なのだろう。茶髪で少し長めの髪に森で身を隠すためらしい緑を基調とした装備品でまとめている。


3人の紹介を聞いた後、グランとシリュウについては僕から紹介をした。

シリュウだけではなくグランの紹介にもジークが驚いた表情をしたのが気になったが今は詮索しないことにした。いわゆる伏線ってやつですな。


アイテムボックスの授業と一緒に冒険者の仕事を見たいとリクエストをしたら、近隣の初心者冒険者向けの森に連れて行ってもらうことになった。

シリュウは護衛のためにもちろんついてくるとしてグランは


「私は非、戦闘要員ですので、お留守番ですな」


全員当たり前のように受け入れたが、この発言は絶対嘘である。

僕は知っている。グランは土属性レベル5である。魔法だけならメグさんより強い。初心者向けの場所で遅れをとるはずがない。

訝しむ視線を投げつけると


「ほっほっほ。では私はここで仕事をすることにしますかな。シリュウ殿、ぼっちゃまを頼みましたぞ」


と笑って流されてしまった。それでいいのかお目付け役。

まぁ、グランはグランで冒険者ギルドでやることがあるのだろう、と納得することにした。

グランがいなくてもシリュウがいるし、初心者冒険者がいくところにシリュウの一撃や母の魔法より強い攻撃をしてくる敵などいるわけがない(慢心)。



街の北門から出て、森まで歩いてきました。約1時間。さてはグラン、これを回避したな?まだ体力に余裕はあるが、帰りはシリュウにおんぶしてもらおう。

到着したこの森に正式な名前はない、強いていうならケルテクラウン近郊の森だ。ケルテクラウンの主な木材はここで伐採されている。

だからか、ここに出てくる魔物は戦闘訓練を受けていない斧を持った屈強な木こりでも対処ができるほどの魔物しかいないらしい。いや、戦闘訓練を受けていなくても斧を持った屈強な木こりは結構強そうなのだが。


「そこはまぁ、ここに生息している魔物の中で一番強いのが木を模したトレントという斧が弱点な魔物なので、あとは小動物系の魔物ばかりですし」


と、ジークが苦笑いで説明してくれる。ここの森や冒険者について説明を受けながら歩いていると、目的のスポットについたらしい。

森のちょっと開けたスペースで角を生やしたウサギの小さい群れが木のみを食べていた。

近くの草むらに忍び込むとザクさんが説明してくれる。


「あれが一角ウサギです。あまり強くなく報酬もそれなりなので多くの冒険者が最初に狙う魔物です」


ウサギなのにあまり可愛げがない。流石は魔物といったところか。

ザクさんが他のメンバーやシリュウとアイコンタクトを躱わす、どうやらザクさん一人で対応するらしい。


「…それでは、失礼して。はっ!」


いつの間にか弓を構えていたザクさんが一角ウサギに向かって矢を放つ。

群れの中の1匹に命中し、残りは驚いて逃げていった。


「おぉ〜」


僕は小さく拍手をして、ザクさんを称賛した。

獲物を遠距離で仕留めた際、あまり大きな音は出してはいけない。

群れが仲間を連れて報復のために引き返してくる可能性もあるし、血の臭いを嗅ぎつけた大型の魔物が現れるかもしれないからだ。

しばしの静寂の後、周りを警戒しながら仕留めた一角ウサギに近づき、ザクさんが回収した。

そして、ナイフを取り出し捌き始めた。


「あ、そのままアイテムボックスに入れるわけではないんですね?」

「そうですね。生き物の死骸はアイテムとして認識されていないのか、アイテムボックスに収納できません、なので一度裁く必要があるんです。皮とか肉にしてしまえば収納できるようになります」


生き物を捌くには血抜きが必要とか聞いたことがあるが、ザクさんの作業が素早いこともありよくわからなかった。正直にいうと、当方グロ耐性がないので直視できなかったっす。

大体の解体作業が終わったのか、ジークさんが自分の水筒のから水を出し、それでザクさんが手袋ごと手を洗っていた。


「シオン様、これが魔石です」


手を洗っていたのは魔石を見せるために血を流していたからか。流石ザクさん、気を遣える男である。略して、さすザク。

ザクさんが見せてくれた魔石はとても小さな白く輝いた宝石だった。

多分、前世の母の結婚指輪の宝石がこのくらいの大きさだったと思う。

前世では給料3ヶ月分とか言われるほど高価だが、この世界では成人男性の1日の食事代くらいの価値らしい。

魔石は宝石としての価値はなく、魔力を入れることで繰り返し使える電池のような扱いなのだとか。

冒険者の仕事や魔石をみて満足している僕を見てシリュウが思い出させてくれる。


「シオン様、アイテムボックスの使い方についてまだ何も教わっていませんよ」


そうでした。それが1番の目的でした。

次回投稿予定日は2/2(月)です。

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