第4章
無数にある本棚の中央で眼鏡をかけた
1人の男が立っていた。
「やあよく来たね。君たちが来るのを
ずっと待っていたよ。」
そう言って男は柔和な笑顔を向ける。
「私の名前はテツヤ・アスカ。ルーク
ストラ、ブラストよく来てくれたね。」
そう言ってずり落ちた眼鏡をかけ直す。
「どうして俺たちの名前を?」
ブラストが警戒した声をかける。
「賢者というのは耳が早くてね
"虹"を探しているんだろう。」
テツヤ・アスカはそう言って部屋の奧に
3人を案内した。
「手早く話すと"虹"は悪魔軍団を率いる
ルシファーの手に落ちた。」
表情を引き締めテツヤ・アスカが
そう告げる。
その名前を聞いた3人は同時に
息を飲んだ。
「ルシファー・・・」
「そうルシファー率いる悪魔軍団は
最果ての地で"虹"の力を使い
彼らの神である悪魔神の復活を企んでいる
それを防げるのは世界の鍵である
君たち3人だけなんだ。」
そう言ってテツヤ・アスカは3冊の本を
手にした。
「これを君たちに託そう。」
テツヤ・アスカは3人にそれぞれ
本を手渡した。
「ストラ、君には聖書をあげよう
その信仰心が最強の剣となるだろう。」
ストラの手元には白い本があった。
「ブラスト、君にはネクロノミコンを
君にならこの本の力を正しく扱えるはずだ」
ブラストは黒の本を手にする。
「そしてルーク、君にはこの本を
与えよう。」
そう言って灰色の本をルークに
手渡した。
「何も書かれてないんだけど。」
本を開いたルークが疑問の声をあげる。
「そう、空白の書だよ。
その意味は私にも分からない。」
そう言ってテツヤ・アスカは首を振った。
「その本を君たちに渡すのが私の役目だ
次はエルフ・ドワーフの集落を訪ねると
よい。悪魔軍団の力はとても強大だ。
人の力だけではとても太刀打ちできない
彼らの助力を仰ぐことだ。
さぁもう行くとよい。時間はあまり
残されていないからね。」
話を終えるとテツヤ・アスカは3人を
エルフの森へと転移させた。