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baby blue eyes  作者: 遠藤 敦子
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 カフェにて、私と男性は飲み物を片手に拙い英語と日本語で話をする。男性はジェームズという名前で、オーストラリア出身とのことだ。しかし住んでいるのはオーストラリアでも日本でもない第三国だそう。日本からも遠くはない場所なので、2〜3ヶ月に1回日本に旅行しに来ていると言っていた。1時間ほどお茶した後、私はジェームズと別れて家に帰る。連絡先は聞き損ねたものの、これが思わぬ出会いとなった。



 翌日、大江課長に笹原さんとの面談日程について相談する。「風岡さんの業務のこともあるし、いつでもいいよ」と言ってもらえたので、私はその旨を笹原さんに連絡した。では明後日17時にハッピー光電のオフィスで面談しましょうと返信がある。更新意思は中旬に確認するそうなので、明後日は今困っていることや相談したいことについて話すことになった。

 織部さんも潮田さんも良くしてくれるし、今のところは嫌な人がいるわけではない。しかし問題は仕事についていくのに精一杯なことだった。明後日、笹原さんに何を話そうかと考える。今すぐに辞めたいわけではないものの、仕事についていけない自分に嫌気がさす。大江課長や織部さんに呆れられてはしないかと不安になってしまった。

 いよいよ笹原さんと面談する日が近づいてくる。一通り業務をこなし、約束の17時になった。私は大江課長に一言伝えて席を外す。笹原さんが受付で待っていた。笹原さんは感じの良い若い女性という印象を受ける。聞けば私より3歳年上で、大学も私と同じだったことがわかった。学部は違ったけれど。

 それから、笹原さんと現状について話す。業務についていくことに精一杯なこと。初回で辞めようか悩んでいること。人間関係は恵まれているのにこんな理由で辞めても良いのかということ。話しているうちに泣いてしまった。笹原さんはそんな私にティッシュをくれる。

「辞めようか悩んでいる中、今まで頑張ってこられたんですね……」

笹原さんにまさかそう言ってもらえるなんて夢にも思っていなかった。今まで仕事についていけない自分はダメだとしか思っていなかったから。初回で辞めようか迷っていたけれど、もう少し頑張ってみようかなと思えるようになった。



 それから時が流れ、気づいたら派遣社員として働き始めて3ヶ月が経過していた。辞めたい辞めたいと思いながら働いていたので、3ヶ月も続いた自分を褒めたくなる。これから繁忙期に差し掛かるとのことで、初の繁忙期を乗り切れるだろうかと不安にもなった。けれどそれは今嘆くことではない。3ヶ月目まで続いた自分へのご褒美として、コンビニでお高めのスイーツを買って帰る。

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