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baby blue eyes  作者: 遠藤 敦子
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 マニュアル通りの答え方をするときもあれば、初日からイレギュラーな対応をすることもあった。イレギュラーな内容は保留にして社員さんに確認もしくは電話を変わってもらったので、どうにかなったかとは思う。それでも覚えることがたくさんあり、頭がパンクしそうになった。織部さんにそう言ってみると、「最初はそんなもんですよ」と言ってもらえたので誰もが通る道だと考える。

 初日だったので、大江課長と織部さんと潮田さんと私でランチに行くことになった。織部さんと潮田さんから早速いろいろな質問をされる。質問といっても、彼氏はいるかとか結婚しているかとかそんな内容ではない。

「今何歳ですか?」

「出身地はどこですか?」

「好きな音楽は?」

といった当たり障りのないことだった。初対面なのであちらも気を遣っているのがわかる。結局は仕事の話に戻り、最初はしんどくても後に慣れるよと言ってもらえた。

 午後からは再び業務に戻る。覚えることやイレギュラー対応の多さから、もう辞めようかなと考えてしまう。そうこうしているうちにあっという間に退勤時間になった。大江課長に定時で帰っていいよと言われ、会社を出る。そのころフォロー担当の笹原さんから初出勤アンケートが来ていた。アンケートに正直な気持ちーー覚えることやイレギュラー対応が多く、初回更新するか迷っていることーーを書くと、すぐに笹原さんから近いうちに面談しましょうと返信が来る。日程については大江課長と相談すると伝えた。


 会社から駅に向かう頃、「すみません……」と片言の日本語で声をかけられる。振り返ると、青い目の外国人男性が立っていた。英語がわからないなりに、私も片言の英語で要件を聞く。すると、「ポケモンセンターに行きたいんだけど、どの電車に乗ればいい?」とのことだった。仕事終わりで時間はあったので、こうなったら一緒に連れて行こう。そこで私と男性は一緒に電車に乗り、ポケモンセンターのある百貨店に向かう。

 百貨店の前に着き、「ここの9階だよ」と言うと男性は目を輝かせていた。それから翻訳アプリに向かって何か話している。男性が見せてきた画面には「良かったらお礼にお茶しませんか? お金は私が出します」と書いてあった。お金出してもらうなんて悪いよと断るも、僕がそうしたいからと言う。じゃあお言葉に甘えて。私がそう言って、百貨店5階のカフェチェーン店でお茶することになった。

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