表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

94/170

第94話 強い蟻の魔物

 主人公は、魔素だまり巡りを終えて都市に帰還するようです。

 その前に寄り道をと思った様で。

 魔素だまりに居たハイローパーを倒し、その後に湧いた2体の魔物も倒し、都市に帰還しようと戻り始めたのだけど。


 ちょっと、寄り道をする必要がある事を思い出した。


 その寄り道とは、少し強めの蟻の討伐だ。


 探索で感知した感じだと、おそらくFランクのビッグアントから2ランク上位の魔物。


 Dランクになると極稀にだけど宝箱が発生するから、この蟻たちを数百匹討伐すれば運が良ければ宝箱がまた発生するかもしれない。


 後は、薬造りに必要な魔石も、もう一度集めておくかと言うのもあった。


 今度は、剣や槍で倒す事には拘らず、一応剣を装備した上で石弾を使う事に。


 減っているMPも、自作の下級MP回復薬(優)で回復させた。


 蟻の巣らしき場所に接近して行くと、どうも攻撃的な魔物の様で、向こうから「ガサガサガサ」なんて音をたてながら大量に接近してくる。


 既に戦闘中となり、中級の鑑定スキルでは名称も分からない。


 人位のサイズのある巨大な蟻が数十匹から数百匹、こちらに向かってくる絵面は、なんか怖い。


 しかも、おそらくDランクなので、無理に接近戦はせず、強化石弾を大量に発生させてマルチロックと自動追尾機能を使い、長距離から討伐を試みる。


 前に倒したアリの魔物の集団と同じ様で、時折ランクの高い個体が混じっている様だけど、MPをケチらず強化タイプにしてあるので、一撃で頭を割られ戦利品に変わって行く。


 それらの戦利品を鑑定し分かった名称は、グラトニービッグアント。


 暴食の大蟻。


 奴らから見ると、俺は食い物になるんだろうな。


 だけど狩られるのはお前らだ、と強化石弾を撃ち続けると数が減って来た


 これなら楽勝だなと思った処で流れが変る。


 と言うのも、ひときわ大きな蟻の魔物が地下の巣から現れて、俺に殺意を持ちながら接近してきたから。


 巨大蟻の頭頂部は俺のはるか上で、人の1.5倍とか2倍くらい。


 しかも、その外骨格は硬いようで命中した石弾が外骨格を破れず、弱点そうな目とか口の中を狙ったものは、別の部位で弾かれたり、前足の大鎌で弾かれたり。


 いや。あれは大鎌ではなく刃状になった爪なのか。


 外骨格に包まれた腕から延びる刃状の2本の爪。


 あの爪は、1メートル弱あるのか。


 追加で石弾を撃ち込むと、他の蟻たちはほぼ壊滅したが、巨大蟻は、前足の刃状の2本の爪を掲げ、残り4本の足で高速で近づいて来る。


 それじゃカマキリだろ、と慌てて距離をとる為に下がろうとすると、同じ様な蟻が後ろや横にも発生し4匹に囲まれる。


 どこからと思ったが、巣の出口が別にもあって、そこから出て来たのか。


 地下への感知能力は低いから、気が付かなかった。


 アリ系の魔物の時は、探索スキルだけでなく土魔法の土探知とかを使い把握すべきなのか。


 完全に囲まれる前に、と前の奴に燃焼型の強化火弾を6発撃ち込み、その脇を抜けようとするが、


 頭部を炎に包まれたまま、攻撃してくる。


 それを剣で受け流そうとするが、受け流しきれず弾き飛ばされ、瞬動で回避をすべきかと思ったら、既に後ろに一匹の蟻が。


 そいつの振り下ろした刃状の爪は、風の護りも切り裂き、背中からバッサリと切られてしまう。


 いや。風の護りによって、刃の勢いは弱まっていたから、前に避けるのが間に合い、防具と肉を少し切られただけ。


 これはもう駄目だと、瞬動を多用する事にし、一瞬で5メートル弱超高速移動できる瞬動で回避。


 自作の下級エリクサー(優)を自分に掛けて傷を治しながらMPも回復させて、瞬動を多用で回避しながら蟻たちを困惑させ火弾を6発ずつ、各巨大蟻に撃ち込んでいく。


 しかし、頭部は燃え盛っているのに直ぐには死なない。


 なので、MPの残量を気にしながら蟻たちの攻撃を避け、まだ攻撃していない最後の蟻の頭部に火弾を誘導している隙に素早く接近してきた一匹の巨大蟻のネイルが俺の胸に刺さる。


 あ。


 先達からもらった魔法の袋が防いでくれた?


 二本の刃状に伸びたネイルの内、片方が肩から掛けてある魔法の袋のベルトに食い込み俺のあばら骨を折り、もう片方が少し胸に刺さった形で。


 最後の攻撃対象まで頭部に燃焼型の火弾を命中させたので後は逃げるだけ。


 そう決断し瞬動を時折使い逃げ回りながら、MPの回復と怪我の治療と併せて行おうと自作の下級エリクサーで回復を。


 今日はもう、4本以上使っているから魔法薬の効果が下がり始めているかもしれないが、そんな事は言っていられない。


 最後の蟻が頭部を焼かれて戦利品になった処で、周りから魔素が集まり宝箱に。


 まあ、これだけ倒すと発生する確率は上がるよね。


 と言うか、戦闘中に発生するとか有ったらすべきなんだろう。


 その時は、格納箱とかに入れられるのかな。


 そんな事も考えつつ、周りの安全と宝箱のカギと罠を確認しながら、宝箱を空ける。


 ミスリル貨3枚、大銀貨30枚、銀貨100枚。上級エリクサー(優)3個、昇華の宝玉、風魔法の宝玉、水魔法の宝玉、ミスリルのインゴット6個、ミスリルの短剣(名匠:硬質化、高耐久化)、ミスリルの槌(名匠:硬質化、高耐久化)、ミスリルの斧(名匠:硬質化、高耐久化)、グラトニータイタニックネイルアントの魔石B、グラトニータイタニックネイルアントの酸袋だそうだ。


 また、昇華の宝玉が手に入った。


 まあ、それを狙っていたんだけど、もっと楽に倒せると言う予想は外れた。


 相手がある事だから、思い通りにはいかないのだろうけど、困ったもんだ。

 かなり長い名前の蟻の魔物。

 強かった様です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ