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第7話 諦めてください

 神って感じの存在からの説明は続いています。


 ゲームを慎重にしていたから、ゲーム内であるとはいえ人殺しを嫌っていたから、こんな世界に来ることになったんだ。


 そう思っていると神らしき存在から、他の情報も提供される。


 「それだけじゃないよ。

  例えば、生まれついて強力な力を持っていたら、傲慢な人間になる可能性は高くなるでしょ」


 「まあ、確率は高いでしょうね」


 大したスキルも持っていないのに、持っていないだけで俺を見下していた連中を思い出しながら言う。


 「転生し、チートな力を手に入れて傲慢になる人も多いけど、それは前世の生活をみていれば、ある程度避けられるわけ。

  しかも、前世の人生も当然人格に影響してくるしね」


 「俺も、ゲームではキャラを鍛えて、俺TUEEEするの好きでしたけど」


 「でも、PKプレイヤーキラーにならなかった処からすると、現実の世界でも、そんなことしないタイプでしょ。

  そう言う事をある程度予測して選んで転生させるって事が出来る訳」


 「力を得て傲慢になるくらいの人材じゃないと、戦いに怯えて役に立たないとかありそうですし、上手く行きますかね」


 「ああ。

  君の懸念通り、と言うか他にも色々と問題があったんだよね。

  君達は、実は今回のテコ入れの第二陣でね。

  他の神の協力と承認を得て行った第一陣の転生者は、ほぼ全滅したんだ。

  511人送り込んだんだけどね」


 ……。そんな過酷な世界にしなければ良いのに。


 「そうなんだけど、この世界はエネルギー確保だけでなく競い合わせて強くする為の世界でもあるから。

  で、第二陣はゲームでも慎重に行うような人材を394人集めた訳」


 そう言った後、ため息をつきながら「それでも、まあ、上手くいっていないんだけどね」と俺に言われてもな。


 世界の設計をミスっているんだから、どうしようもないんじゃないかな。


 その俺の思考は読み取っている筈なのに、諦めずに説明は続くようだ。


 「君も母親から聞いた事があるでしょ。

  君とほぼ同時に生まれてきた子供達が、国や貴族達に拉致されたって話」


 「うちの村にも来たらしいですね。

  同じ時期に生まれステータスが高かった俺も目をつけられ、何年か監視されたらしいですね」


 「うん。前回の転生の事実は全世界に知られていたから、殆どの国々が生まれたばかりなのに強力なスキルを1個持っている赤ん坊が1人見つかった時点で、国中を探し回って集め、奴隷化して戦力にしたんだよね。

  他の転生者は生まれた時に強力なスキルが1個覚醒し、それと同時に転生前の記憶がよみがえると言う転生なのに、君の場合は百能は他にはない強めの力だからと未覚醒状態で渡してあったんだ。

  そうしておいて、本当に良かったと思っていだんだよ。

  まあ、その後失敗に気が付くんだけどね」


 「2回目の大量転生も、上手くいっていないんですか」


 「そう。その力を魔物にぶつければいいのに、他の人族の国にぶつけ始めたんだ」


 「……。もう、人族は滅びれば良いんじゃないですか」


 「いや。人の住める領域を確保するのに、既に人が住んでいる場所を選び奪うと言うのも、効率から言うと間違っていないんだよね。

  魔物は、制御されずに世界を漂い流れている魔素や竜脈と呼ばれる膨大な魔素の流れやその分岐から生まれるんだけど、その魔素が薄く魔物が湧き辛い場所に、既存の都市なんかは造られているから。

  だから、森とか切り開いて街を造ったけど、魔素が濃い為に強めの魔物が途切れることなく湧くので移住を止めるなんて事は無いからね」


 「つまり、世界の設計ミスと言う事で、諦めてください」

 主人公は、今の世界で生きて行く事が嫌みたいです。

 相当過酷なのか、嫌な思いしかない世界と言う事なのでしょうか。

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