第64話 武器の調達
主人公は、斥候系スキルの師匠から警告を受けました。
早めに、この領都から離れた方が良いのでしょうけど。
斥候系スキルの師匠を訪問したその帰り、また武器防具屋によってみる。
例のドワーフのお店だ。
お店に入り呼出鈴を鳴らし武器を見ていると、作業中だった店主が出て来た。
「おう。あんたか」と、覚えてくれている様だ。
「ええ。予備の武器が欲しくて。後は、木も切れて魔物も倒せる斧系の武器を持っておきたくて」
「ん。そうなんだ」と良く分からない様なので、説明する。
「使っていた斧が壊れたんですよ。筋力が上がって来ているから、これを機会に両方できる斧も良いかなって。
後、森で蜘蛛系の魔物と戦った時に、糸を吹き掛けられたもんだから、それに槍を投げつけて回避したんですよ。当然、槍の予備は持っていなかったから、その後の戦闘で間合いの取れる武器が無くて困ったんですよ」
「ああ。そんな事があったんだ。だけど、軽くて小さめの剣とかなら兎も角、槍を2本持ち歩くのも邪魔だぞ」
「そうなんですけどね。短めの槍とか折り畳みの槍とか」
「あ~。中途半端だぞ。重くなるし」
「そっか。まあ、中古品から見てみますね」
「ああ。お金がな」
そう言うやり取りの後、選んだのは、片刃で刃の反対側に突起も付いていない、本当の斧タイプ。
木を切ると言う用途を考えると、両刃とかは不便かなと思ったので。
「木を切るとなると、そう言うのになるよな」と、店主は俺の斧の選択に同意してくれている様だ。
「まあ、一撃で大木を切り倒せる筋力があれば、両刃でもかぎ爪とかが付いているのでも良いんでしょうけどね。
この形状なら木に刺さっている状態のこの斧を叩いて木を切り倒すと言った作業や刃の付いていない方でハンマー代わりにも出来ますからね」
「そうだな」
「投げる事も可能な手斧も欲しいとは思うけど、使ったら中途半端かなとも思いますし」
「手斧だと、薪割とか枝打ちとかになるからな」
「だから木を切るならこれかなと。後は、剣や槍が苦手とする敵に有効に使える武器だから良いかな、って」
「ああ。ゾンビ系とかか」
「スケルトンとかもそうですよね」
「そうだな。じゃあ、この鋼鉄の斧(G2)で決定か」
「はい」
「後、槍はこれで」
「結局、予備の槍も買うのか」
「ええ。まだ蜘蛛の巣だらけなんですよ」と、格納箱スキル持ちである事を隠す為の嘘の事情を伝えると。
「あ~。糸を燃やせばいいんじゃないか?」
「もうちょっと、絡まっている糸を減らしたらそうします」
「ああ。柄の部分の木が、火に強い材質じゃなかったか。
じゃあ、両方とも5万GAZUだ。
斧の方は、柄の傷みが気になる様なら、木工スキル持ちに作ってもらった方が良いだろう」
「そうします。と言うか職人に心当たりがありますか?」と、自分で造ろうと思いつつも、良い職人に会えるかもと聞いてみると。
「ん~。お勧めできるような知り合いは居ないな。自分で探すか自分で造っても良いだろうな」
「そうですか。まあ、使えるようですから、しばらくこのまま使ってみます」
「おう」とのやり取りで、10万GAZUを支払い、店を後にした。
主人公は、新たな武器を手に入れました。
まあ、中古ですけどね。




