第62話 斥候系師匠のスキル
主人公は、斥候系のスキルに付いて教わった師匠を訪問しました。
また、指針などが得られるのでしょうか。
子供の頃に斥候系スキルについて教わった師匠に、スキルが得られたとの報告に。
すると、スキル取得の条件に付いて聞かれたので、秘密にしてほしいと告げると、どの程度の秘密かによるなと言われた。
まあ、師匠なら大丈夫だろうと、死にかけた戦闘で手に入れられたと話をする事に。
「なる程。そんな取得条件では人に言えないか」
「はい。俺もスキルを取得するのに苦労しましたが、皆苦労している事ですから、苦労している人が短慮から命を失うとかありそうですから。
それに、他にもスキルの取得条件があったのに、それは色々苦労している間に満たしていたので、戦闘のタイミングで取得出来た、なんて裏事情があった場合、命がけで魔物と戦ったからとスキルを取得出来ないでしょうし」
「そうだな。断言も出来ないし、かといってスキル取得に苦労している奴は試したくなるだろうし」
「はい。それで」と言って、紙に包んできたミスリル貨を差し出し
「今後の指針を頂きたいのですが」と、更にスキルの事を教わりたいと告げ頭を下げる。
すると、師匠はしばらく悩んで「剣技は持っているのか? まあ、俺の場合は短剣だけど」と聞いて来たので。
「はい」と頷くと。
「後は鑑定か。教えたことは続けているのか」
「はい。続けています」
そう言うと「まずはこれだな」と言ったかと思うと、目の前の師匠の存在感が薄くなっていき、消えた。
「えっ」と声を上げると、また姿を現した。
「これは隠形。普段街を歩くときに、周りに溶け込む・紛れ込む事を意識していると取得出来るスキルだ。
後は、見えない様になれと意識していると秘匿と言う見えなくなるスキルも取得出来ると聞いたが、これは取得していない。
多分だが、スキル取得の宝珠で取得する類のスキルだと思う。
後、自分を偽ると意識して生活していると、偽装スキルが得られると言う話もある。
だけど、化粧と言った自分を偽るなんて嘘は皆がしている事だし、そんなに簡単に取得出来るスキルでも無いだろうから、これもスキル追加の宝珠で取得するのが普通だろうな」
「そうなんですね」
「次は、これか」と言って、目に力を入れている感じ。
「何をしているか分かるか?」
「ひょっとして、魔力で目の能力を強化しているんですか?」
「良く分かったな。これが視覚強化だ。
まあ、天級になっても完全に物が透けて見たいモノが見られるわけじゃないらしい。
ちなみに俺の師匠は、透けて見える様になるからと言って人の裸をスキルを使ってみても、慣れてつまらなくなったと言っていたしな。
基本は、遠くを見られるようになり、特級から視点を高い位置に出来たりするようになるそうだ」
「師匠は天級じゃないと言う事ですか」
「ああ。生き残る為には、隠形や探索の方を優先だ。
同じように、耳や鼻を魔力で強化、能力を上げると意識し訓練していると、聴覚強化や臭覚強化も取得出来るらしい。
まあ、俺は視覚だけだが」
「なる程」
「次はこれだ」
そう言って見せてくれたのは、影に紛れて行く影魔法。
「これも隠形と同じ様に、雑踏や周りの状況に紛れるではなく、影に紛れると意識していたから、多分取得出来たスキルだ」
「はい。凄いですね」
魔法の先生の所でも見たが、やっぱり凄いので、素直にそう言っておく。
「後は弓技もあるが、あれは訓練しているのか?」
あれ?
そう言えば、見せてもらったが、百能スロットの装備待機枠の中にも無かった。
ひょっとして、目にはしたけど、どういうスキルか理解しようとしていなかったからか。
後で、どういうスキルか思い出しながら考えれば、取得出来るかもしれない。
そんな推測もしつつ、弓技の取得訓練をあまりしなかった理由の返事をしておく。
「矢にお金と手間がかかるので、あまり出来ていません」
「そうか。となると次は、これだ」と言われて師匠を見ると。
何と言うか、癇に障ると言うか、気になると言うか。
それで、目が離せなくなる。
「これが挑発だ。
仲間を守る為に魔物の意識をこちらに誘導する様に戦っていた時に身に付けたのだと思う」
「なる程」
「次はこれだな」
そう言ったかと思うと、俺の前で寝始めた。
すると、俺がどうしようかと困り始めた30秒くらい時間がたった処で起き、
「何かわかったか?」
「眠りを制御できる、睡眠スキルですか」
「そうだ。眠る時間や眠りの深さの調整が可能になり、スキルで強制的に睡眠に入る事も出来る結構便利なスキルだ。
俺は斥候系だから他の人より警戒しながら野営をしていたから取得したと思うんだが、取得条件は良く分からん。
まあ、比較的取得し易いスキルに分類されているから、仲間と野営とかを繰り返していると取得出来ると思う」
「……。危険の多い野営では必須の様な気がします」
「まあ、必須では無いが有った方が良い。
そう言えば、罠解除も教えてあったな。
それはどうなった」
「あ。下級で取得しています」
「そうか。スキルに関しては、そんな処だな」
「スキル以外にも何かあるんですか」
そう俺が聞くと、師匠は急に真剣な表情になって話始めた。
斥候系スキルの師匠から色々なスキルに付いて教わりました。
でも、師匠が教えたい事は他にもあるようで。




