第44話 夜のお店へ
主人公は、冒険者ギルドお勧めの娼館へ行く事としたようです。
命がけで戦う毎日だから、命の洗濯がしたい。
ピンク発情期対策として使えるかどうか確認しておきたい。
まあ、言い訳は色々とあるようです。
宿での夕食を終え、少し出掛けて来ると宿を出る。
冒険者ギルドのマリレーヌさんに教わった娼館に行く為だ。
この世界では始めてと言う事もあるのだろう。
スキップしたい気持ちで娼館に向かう。
マリレーヌさんに教わったのは、スラム街の娼館は色々な意味で危険だから行くな。
貴族街の娼館は相手にしてもらえない。
一般市民向けの歓楽街の高めの娼館にしろって事。
で、おそわった中では一番高い店に行く事にした。
迷うことなく都市の南西側にある歓楽街へ。
前世と違ってネオンとかがある訳じゃない、と思っていたが、魔石ランプや松明等の明かりが明々と灯っていて、通常の街並みとは違って見える。
様々な種類の飲み屋や娼館等を横目に、目的地に向かう。
教わった堅牢な建物のお店に入ると、カウンターのお兄さんが声を掛けて来た。
「初めてのお客様でしょうか?」
「ああ。冒険者ギルドで教わってね」
「冒険者様ですか。ではこちらへどうぞ」と、見下される事も無く、丁寧に案内してくれる。
なんせ、一晩5千GAZUから10万GAZU。
5万から100万円相当のお店だからね。
まあ、俺は御泊りではなく御休憩コースだから、6~8割とかになる筈だけど。
少し待たされて、5つ穴の開いた壁のある部屋に。
穴毎に見られる女性については、おおよその値段が決まっているそうだ。
少し暗めの部屋に座ってお茶を飲んでいる女性を穴から確認し、好みの女性を選ぶタイプの様だ。
一つ目が一晩5千GAZU程度。
悪くない。
と言うか十分可愛い。
2つ目が1万GAZU。
良いね。
3つ目が3万GAZU。
良過ぎるんだけど、良いのかな。
4つ目が5万GAZU.
なんて言うか、俺が食べさせてあげたい。
5つ目が10万GAZU以上だそうだ。
いや。良いけど無理だよ。
と言っても、4つ目と大きな違いが良く分からない。
なので、お兄さんに聞いてみると、初めての人とか1番から5番人気の女性なんだって。
ああ。今日4万5千GAZUしか手に入らなかったのに。
4つ目の穴から覗ける女性の中で、美人でスタイルが良くて可愛い犬人族の人を選んだ。
しばらく待ちながらお茶を飲んでいると、向こうも了承と言う事で、4万GAZU払って個室へ。
ああ。ベッドだけでなく、風呂まであるよ。
流石40万円相当。
「初めてです。お願いします」と素直にベッドの上で冗談半分の土下座をし、笑われながら体を洗ってもらい、差し障りのない、趣味や食べ物がおいしい店などの雑談をしながら床に入る。
御泊りではなく御休憩コースだから3時間しかない。
この世界は、ステータス制で耐久とか筋力とか上がっているから大変だろうな。
そんな話も聞きながら。
うん。
我が人生に悔いなし。
帰る前に、もう一度体を洗ってもらい、宿に帰って来た。
は~。
良かったよ。
癖になりそうで怖いよ。
と言うか、俺はこんな性格だっただろうか。
正直、村に居た時は、女性嫌い人嫌いだった気がする。
……。
ひょっとして、前世の記憶が戻り、それから人格が影響を受けているのだろうか。
いや。
ない訳が無いか。
前世の方が2倍以上生きていたし、その記憶がハッキリとある訳だし。
それに俺の人嫌いを神様が気にして、影響を与えてきた可能性もあるのか。
『人なんて亡べばいい』、『力を得てこの世界に戻り人を救いたいなんて思わない』って感じの事を言ってしまっていたし。
恩恵:百能に、人を愛する気持ちとかまで付けられているんじゃないだろうな。
……。
まあ、前世の影響を受けて、性格が変わった、でいいか。
鑑定スキルのランクが上がり、解析鑑定が出来る様になったら恩恵:百能を調べてみるけどね。
しかし、ピンク発情期対策は考えないと。
お金が続きません。
ピンク発情期対策としての娼館訪問を無事終えた様ですが。
お金が持たないとの結論になったようです。
安めのお店とかにすれば良いだけの様な気もしますが。
主人公は、どうしていくつもりなのでしょう。




