表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

42/170

第42話 武器の修理を終えて

 主人公は、自分より強い者としか付き合わないと言っている女性に摸擬戦で勝ってしまいました。

 師匠の娘さんなので、どうしようかと思っていると師匠との摸擬戦になり、娘さんの主張は有耶無耶に出来たのですが。

 でも、師匠もその娘さんも思う処はあるようです。

 あの男が、最後に父に礼を言って去っていく。


 私に『自分の女になれ』とは言わなかった。


 『父に勝ったら』なんて、卑怯な後出しの口約束なのに。


 「あの人に声を掛けなくて良かったのか」


 そう父が聞いて来る。


 私が何も言えずにいると。


 「戦争は嫌だから、この都市からは遠からず離れるって話だっただろう。

  決めるべき時は、決めるべきだよ」


 そう言って、父は道場に戻っていく。


 私は黙って、その父について行く事しか出来なかった。



 いや~。


 やばいね。


 良い女だったね。


 気が強そうだったけど。


 「俺が勝ったんだから俺のモノになれ」って言いそうになったよ。


 そんな事言ったら、師匠にバッサリ切られる気がしたから言わなかったけど。


 しかし、得た物は大きかった。


 百能メニューを起動し、取得待機スキルを見ると、ありますよ。


 先読み。


 スキル知識源泉にその詳細を聞いてみたけど、結構すごいスキルかも。


 下級で1秒先が読めるらしい。


 ただし、意識している事だけらしいけど。


 下級だと、透き通った残像が、意識している対象について0.2秒刻みで1秒先の状況を教えてくれるらしい。


 つまり、5つの残像が、意識している対象のこれからの動きに付いて教えてくれる。


 しかし、意識外から攻撃されたり、全く予想をしていない攻撃を受けたりすると、先は読めないらしいから、そう言う点だと微妙だけど。


 でも、数多くの経験をして意識出来る事を増やしていけば穴は減らして行けるだろう。


 他にも、残像は見えないパターンもあって、その場合は自身の行動の結果や意識を向けている相手の行動の結果が、何となく読めたりもするらしいが、これも安定して読めるものではないそうだ。


 なので、この力のメインは意識を向けている相手について表示される未来の残像により動きの先をとれる事なのかもしれない。


 これが、中級で5つの残像が2秒先。


 上級で10個の残像で4秒先が読めるらしい。


 特級になると、6秒になり偶にだけど意識外等の攻撃も読めるらしい。


 天級になると、10秒になりグレードが上がると最大1分になり、意識外の出来事を読める確率も上がっていくんだって。


 1分先なんて未来視だよな。


 そう思っていたら、スキル使用者の行動だけでなく、先を読んだ結果変わってしまったスキル使用者の態度・目線等でも未来は変わるから注意だってさ。


 でも、結構怖い力ではある。


 スキルを身に付ける事で上がるステータスは、知力と俊敏と器用で俊敏もあげられるのは嬉しいな。


 まあ、問題は現在相思相愛の相手が居ないから、百能スロットに装備できない事か。


 今の間にスキルスロットの方で取得出来る様に意識して訓練をしておくべきだろう。


 それで取得出来たら、貴重な百能スロットの枠を使わずに済むし。



 次は、昼過ぎになったので、武器防具屋に頼んでいた武器を受け取りに行く。


 「おお。来たか」と言って受付の棚の下から、ドワーフの店主は母の形見の鉄ミスリルの細剣を取り出し渡してきた。


 「見ていいですか」


 「おお」


 そう言われて、鞘から抜いてみると。


 「これ、強くなっていません?」と鍛冶スキルが感じた剣の変化について聞いてみると。


 「ふん。やっぱり分かるか」と、満足そうに言って来る。


 「え~と。どうしてですか?」


 「ああ。1万GAZUの仕事だからな。もらった金額分仕事をすると、そうなるのさ」と、自慢げに言って来る。


 「そうなんですか。高めの値段だとは思っていたんですが、予想以上です」


 「ああ。もっと時間を掛ければG2の良品にもできるんだが、まあ、手間と時間が掛かり過ぎる」


 「そうですね。多分、お金を稼いで新品の武器を売ってもらった方が、僕の方も良いと思います」


 「ああ。お前になら、ちゃんとした武器を売ってやるよ」


 「助かります。ただ、俺は人殺しが嫌なので、何時までこの都市にいるかは」


 「まあ、そうだな。全く、俺だって人を殺す為に武器を作っているんじゃないって言うのに」と、店主も俺と似たような考えの様で、ホッとしてしまい。


 「やっぱりそうですよね。と言うか、人同士で殺し合っていて、俺たち滅びないで済むんですかね」と、愚痴ってしまう。


 「……、まだこの国は魔族領との間の緩衝地帯になっている国はあるが、北のゾルド山脈から多くの魔物が移動してきたら、どうなる事やら」


 その言葉に湯鬱になり「は~」と溜息をついてしまう。


 でも、店主は気持ちを切り替えた様で「まあ、今は目先の事だ。武器が必要になったら、俺の処に来い」と、力強く言ってくれるので、金属製品についてはここに頼む事にしよう。


 そう心に決め、店主にお礼を言って店から出た。

 母の形見の鉄ミスリルの細剣は、ノーマル品からG1(グレード1)の良品になったようです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ