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第39話 自分を負かした相手にしか

 主人公は、剣術などを教わった道場の師範代に挨拶をしにきました。

 主人公が得た力は規格外に強くなった力だったようで、驚かれてしまった様です。

 「それで、何のスキルが得られたんだ」と師範が聞いて来るので。


 「剣技と槍技は取得出来ました。しかも、上級で、です。

  体術は、中級ですね」


 そう言うと師範もその娘さんも目をむいている。


 これもスキル知識源泉に確認したのだけど、何かのトリガー(切っ掛け)が無いとスキルを取得出来ない場合は、スキル取得の経験値が溜まった後、スキルを得ていない状態でもスキルのランクアップの為の経験値が溜まり続けるのだそうだ。


 他にも、スキルスロットに取得出来る様になったスキルを取得しないまま取得待機状態で数年訓練を続け、いざ取得して見たらイキナリ中級だったと言う話もあったかな。


 まあ、普通はそんな事態があっても直ぐに中級になれる初級程度なんだけど、上級が得られるケースもあったと言う話なので、現状に合わせてそう言う事にしたのだけど。


 でも、お二人の表情を見る限り、いきなり上級で剣技と槍技を取得したと言うのはレアすぎて失敗だったかも。


 となると、他にも盾術と受け流しを下級で得ているのだけど、それは言わなくて良かった様だ。


 と言うか、中級とか、剣技だけ上級とか言うべきだったのだろう。


 そんな反省をしていると。


 「娘と模擬戦をしてくれないか」と、師範代が急に変な事を言って来る。


 いや。摸擬戦自体は変な事ではないんだけど、何か変なんだよな。


 その考えが表情に出ていたのか「娘のタチアナは、同世代で自分を負かした相手にしか嫁がないと公言していて、困っているんだ」と、師範代が事情を説明してくれる。


 「お父様」と、娘さんの方は父親の師範代に抗議しているが、俺も何か言ってあげた方がいいのだろう。


 そう考え「そんな馬鹿な事を言っているんですか」と、口にすると。


 「ば、馬鹿って失礼でしょ」


 改めて娘さんであるタチアナを観察する。


 黒髪のロングで、黒目の前世の日本人ポイ顔。


 鍛えられていて、でも女性らしさを象徴する胸とヒップはそれなりに大きいし、ウエストも細い。


 まあ、若い人っぽい丸みも未だあるけど。


 しかも美人なのに、なんて馬鹿な事を言っているのか、と思っていると。


 「何か不服が有るのですか」と怒ってくるし。


 「いや。ピンク発情期とかどう思っているんですか?」


 そう、本気で心配していったのだけど「そんなモノ。剣技・槍技で鍛えた精神力があれば、問題ありません」とか言って来る。


 まあ、多分本気で思っているのではなく、強がりなんだろうけど。


 「ひょっとして、まだ成人前ですか?」と先生の方に聞くと。


 「いや。成人したばかりなんだ」と困り顔で言われてもな。


 親としての仕事をしろよって思うけど、それは母親がする事なのか。


 「俺の母親は、ピンク発情期で、人生を狂わされたと俺は思っています。

  最近も、知り合いの女性の姉が、ピンク発情期の所為で一級奴隷にされたって話を聞いたばかりですけど」


 そう言うと、驚いた表情の娘さん。


 あまり、そう言う話に触れたことが無いのか。


 まあ、セクハラって感じになるから、真面目そうな若い女性にはし辛い話だけどさ。


 でも、恩師の娘だし、本気で忠告してみる事に。


 「しかも、昇華の宝玉とか使えば、多分貴方の実力を超えられますよね」


 そう言うと、侮辱されたと思った様で俺を睨んでくる。


 でも、事実だしな。


 「確かにマジックアイテムで強化しただけの力は弱点のある力なんでしょうけど、その弱点も埋めようとしてきますからね。上級になったスキルが」


 そう俺が移動中に剣技や槍技に教わって来た事を思い出しながら忠告すると。


 「そんな偽物の力には負けません」とか言って来る。


 「まあ、そうですけど、昇華の宝玉で力を上げるだけでなく、努力して来た人に勝てますか?」


 そう言うと、また睨まれた。


 「ということで、摸擬戦だな」と師範に促されて、道場に向かう事になってしまった。

 主人公は摸擬戦をする事になりそうです。

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