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第3話 危険な気配

 無能と呼ばれている主人公は、狩りに出かけるようです。

 スキルを持っていなくても出来る事はあり、主人公はそれを鍛えているので先頭を行くようですが。

 俺は、狩りの時には先頭を歩く。


 父のグループには斥候系のスキルを持っている者が居ないから。


 今日狩りに行くメンバーだって、俺と親父の他、異母兄弟は9人、狩り仲間は14人の25人パーティなのに、斥候系のスキルを持っている人が一人もいない現状が、この村の戦力不足を現しているか。


 俺は斥候系のスキルも欲しくて、色々と指導を受け勉強し、スキルが無くても、風の匂い、周りの音、足跡、折れている木の枝、微妙な雰囲気等から、魔物を見つける方法を学んでいる。


 それが感知系のスキルを取得する為の修行でもあるから本気で頑張ったし。


 それに、この辺には強い魔物はあまり居ないとはいえ、スキルを得る為に一人で狩りに行って死なずに帰るには、当然知っておき実践すべき事だし。


 だから、他の連中に比べて魔物を見つけられる可能性が高い。


 まあ、俺を先頭にして無能なのが真っ先に魔物に食われてくれれば、と言った事も有るのだろうけど。


 そんな事を考えながら何時もの様に移動しながら獲物を探していたのだけど。


 ……。


 何と言うか、森の雰囲気が変だ。


 静かすぎる。


 スキルを持っていない俺でも倒せるビッググラスホッパー(大バッタ)とか、レッサースライムすらいない。


 強い魔物の気配に脅えて、何処かに隠れているのか。


 斥候系のスキルを得る為に教わった人から、そう言う指導内容があったと、グループのリーダーである父の所に戻る。


 「どうした?」


 「森の様子が変です。

  強い魔物が居て、弱い魔物が怯えている状況に見えます。

  今日は狩りを止めて様子を見た方が良いです」


 そう言うと、親父は俺の顔を殴ってくる。


 「お前ごときが俺に指示するな」


 ああ。新しい妻候補の女性を連れてきているから、引けないのか。


 そう思いつつも「本当に危険かもしれません」と言うと、もう一度殴られた。


 「お前は俺らの盾になって働いていればいいんだよ」


 そう唾を飛ばしながら言って来る親父。


 周りを見ると、親父の狩り仲間や異母兄弟たちはヘラヘラと笑っている。


 女性陣を見ると、相変わらず蔑んだ目で俺を見てきている。


 いや。昔はあんな目で見て来る事は無かったか。


 まあ、7歳までの話だけど。


 それ以降は、スキルを得られない俺は、幼馴染の女の子連中にも蔑まれていたか。


 それ以前は、可愛いなと思っていた村長の孫娘であるあの子にも。


 そうだな。


 こんな連中、俺と一緒に死ねばいい。


 忠告はしたんだからな。


 それに、探索スキルとか持っていない俺が、正確な情報を告げられないのも事実だし。

 主人公は、不穏な気配を感じた様ですが、周りはそれを信用しない様です。

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