第165話 魔素だまり巡り
主人公は6個持っていた昇華の宝玉の内4個を使い、自分のスキルを強化し、魔素だまり巡りをするようです。
それで宝箱を発生させ、お目当ての宝玉をゲットできるのでしょうか。
予定していた強化を終えたし、森にある魔素だまり巡りをするか、と都市から北東へ向かい森の奥へと侵入していく。
どうも、それなりに強い冒険者か騎士団なんかに、森に入って直ぐ位までは討伐されている感じだ。
どんどん奥に向かっていくが、木々の間隔がそれなりに狭いので、スピードはそれ程でもない。
移動途中に居たビッグスパイダー2匹やビッグスネイク3匹を倒しながら移動しているのだけど、最初の魔力溜まりはDランクの魔物が居る様だ。
それは、どうもレベルが上がったネイルベアの様だ。
接近し、上級になった火魔法を試してみる。
12個発生させた強化火弾を頭目掛けて放てば、着弾時に「ボフ」との音で頭部を破壊し討伐完了。
まあ、Dランクだしね。
移動中にネイルモンキー11匹のグループを火弾のマルチロックオン攻撃で瞬殺し、次はCランクの魔物が居る魔力溜まり。
居るのはレベルが上がった感じの木と蔓の魔物のローパーだ。
探索スキルのランクが上がったおかけが、擬態している蔓にも気が付き、それを石弾で切り落としながら接近し、奴の根元に石槍を連続して撃ち込む。
「ガツ」と撃ち込むたびに音を立て幹に切り込みが入り、苦しそうに暴れまわるが、数発撃ち込むと根元から切り倒されて倒れ込み、触手の様に動いていた蔓の動きも止まり、戦利品に代わる。
それを回収し、今度は魔力溜まりにあった魔力草と万草を数本ずつ回収。
傷薬草や解毒草も採りすぎない様にしながら採取。
次は少し心配なBランクの魔物の居る魔力溜まりだ。
初めて感じるタイプの敵。
いや。スケルトン系か。
遠くから確認すると、王冠をし派手な衣装を着たスケルトンが居る。
武器は、派手な剣と盾か。
骨相手に火が効くだろうか。
まあ、骨ならば燃やせば脆くは出来るだろうけど、スケルトンの骨を燃やせるかどうか微妙だし。
やっぱり、一つの力に特化しなくて良かった。
と言っても、上級になってある程度汎用性と攻撃力のある魔法は、風と土魔法。
その辺も、どの程度効果があるか分からないか。
そう思いつつ、武器を鉄ミスリルの槍G2から、ミスリルの斧(名匠:硬化、高耐久化)に変更する。
骨に対しては槌で攻撃し叩き折ってやろうとか思ったんだけど、斧技は持っているが槌技は未だ持っていないから斧を選択した。
後は、質量攻撃の側面が強い土魔法をメインに戦う事にして接近して行くと、こちらを正確に捉えているのか、こちらを睨んでいる感じだ。
それを察知スキルで感じながら木を盾にしながら接近して行くと、殺気や攻撃の気配が高速で向かって来る。
それを避けると、隠れていた木が「バスッ」と音を立てて真っ二つに。
まだ距離があるのに、剣の斬撃を飛ばすタイプの攻撃かと思いつつ移動を急ぐと、奴が剣を振るうたびに斬撃が飛んでくる。
飛撃スキルなのか剣についている効果なのか。
素早く振られる剣から次々と斬撃が飛んでくるのを避けながら接近し、石弾を12発発生させ、それぞれ違う場所をロックオンして同時に撃ち込む。
石弾は、その多くが飛ぶ斬撃で撃ち落とされ、残った石弾も剣と盾で防がれたが、その隙に俺が接近する事は出来た。
ならば斧で叩き割ってやると接近したら、斧技スキルではなく剣技スキルが警鐘を鳴らしてくる。
ああ。剣技スキル持ちで上級以上なんだ。
慌てて、奴の振るってくる剣を斧で弾きながら距離を取り、追撃してくる奴に石弾を18発撃ち込む。
奴は防ぎきれず5発ほど命中したが、大してダメージを与えていない感じか。
スキルによる支援はあるが戦い方を全く習得していない斧で倒す事は諦め、奴の剣技を防げるようにミスリルの剣(名匠:硬化、高耐久化)とミスリルの盾(名匠:硬化、高耐久化)に切り替える。
だけど、奴の剣技は俺以上の様だ。
剣自体も劣っている様で、ミスリルの剣が欠けているのが分かるが、受け流しスキルの援護もあり剣ごと真っ二つにされる程ではない。
革の防具はあまり機能せず、体の彼方此方を軽く切られ血を流しながら隙を見て石弾を撃ち込むが、当たっても致命傷にならない。
奴の攻撃を避けたタイミングで距離を取って、強化石弾、強化火弾、強化風弾を十数発ずつ発生させて同時に撃ち込むが、致命傷になる部分は剣と盾で防がれたようだ。
でも、奴の着ていた豪華な服が焼けたり、切れたりでボロボロに。
王冠も、凹んでいる感じ。
その事に怒り、こちらを睨んでいる気がする。
さて、どうする。
強化した魔法はMPを結構使うから、さっきやった一斉発射は何度も出来る事ではないし。
そう思った処で、幾つか手札がある事を思い出す。
先ずは、身体強化スキルを起動。
次に、聖魔法の物理耐性アップを自分に掛ける。
すると、奴がビビッて体が少し後ろに下がった。
あっ。
聖属性が弱点か。
聖魔法の浄化を奴に掛けると、光に包まれ苦しんでいる。
でも浄化しきれないが、再度浄化を掛けながら突っ込み、奴の骨の間から見えている魔石を剣で突き刺して破壊する。
ああ。
今回はカウンター攻撃とか無かったけど、上級以上の剣技持ちの奴に剣なんかで突っ込まず、魔法で魔石を破壊すればよかったな。
焦っていると、アッサリ死にそうだとも思いつつ。奴が戦利品に変わって行くのを眺める。
うん。
苦戦したからと言って宝箱は発生しないんだよな。
戦利品のスケルトンキングの魔石B、ミスリルの王冠、アダマンタイトの剣、アダマンタイトの盾を手にし、次に向かう事にした。
魔素だまりに居たBランクのスケルトンキングでは宝箱は発生しませんでした。
幸先は悪いですが、まだ魔素だまり巡りは始まったばかりなので。




