第145話 サーキス市
辺境伯領から脱出した主人公は、皆にした性別をかえる偽装を解除し、タチアナだけ軽い偽装を施す事にしました。
そして、辺境伯領からそれなりに離れたサーキス市へと到着する様です。
国境にある大河沿いの都市であるサーキス市。
とりあえず、国外脱出の為に向かっていた都市に着くことが出来た。
門の使用料1か月を4人分で4000GAZUを払い、ステータスウィンドウを可視モードで表示し、それの確認後に都市に入れた。
勿論、魔物の跋扈する世界なので見事な城壁に囲まれた都市だが、城壁内に飛行場がある分、城壁に守られた敷地は広めの様だ。
都市の中には大き目の建物も多く発展している感じ。
メインの通り沿いには、石造りやコンクリート製に見える建物ばかりで、木造の古びた家が無い。
まあ、多分、スラム街なんかもあるんだろうけど、と思いつつ冒険者ギルドへと向かった。
冒険者ギルドも発展している感じで、コンクリート製に見える建物で5階建て。
馬車を3人に見てもらいながら、受付に行ってみる。
まだ昼間なので、人が少なく、直ぐに若くて可愛い犬人族の受付嬢に対応して貰えた。
「御用は何でしょうか?」
そう言われたので、Fになっている冒険者証を見せて「しばらくこの辺で仕事をするつもりなんだけど」と話を切り出してみた。
「どのような仕事をなさるつもりですか?」
「魔物狩りと採取かな。この辺にダンジョンは無いよね」
「そうですね。魔物の分布としては、南東に広がる平原には弱い魔物が。北東に広がる森には、強い魔物が多いので、そこで狩りは出来ますが」
「ちなみに、魔物のランクは?」
「南東の平原がGからEくらい。北東の森がGからAまで居ると言われていますが、奥まで入らなければB位まででしょうか」
「それは、大変だな」
「大変?」
「ああ。皆南東の平原に行くから魔物の取り合いじゃないの?」
「そうですね。でも、冒険者の数がそれ程ではないので」
「そっか。北東の森はヤバいよね」
「おすすめは出来ません。少なくと、Cランクは楽に狩れないと」
「結構厳しいな。Eが単体で、Fランクが豊富に居る場所に行きたいんだけど、この辺だと何処になる?
ダンジョンも含めて」
「御隣のユーリア市にはCランクの鉱山タイプのダンジョンが、領都のメルイド市にはBランクやAランクのダンジョンがありますが、Dランクとなると、もっと遠くになります」
「Cランクなら上層で戦えば、F~Eかな」
「ユーリア市のユナベラ洞窟ダンジョンは、ゴブリンの巣穴とも呼ばれていますし、そうですね」
「ゴブリンが主たる敵なら、冒険者が多そうか」
「はい。冒険者の数は多く、魔物の取り合いもあるそうです」
「魔飛行船で行ける隣の国はどうなの?」
「飛空艇で行けるリンド市にはCランク、北に向かうとDランク、南に向かうとB、C、Aのダンジョンが知られています」
「そっちの方が近そうか」
「そうですね。ただ、魔飛行船の乗船費用が掛かりますが」
「どの程度のなの?」
「立ち乗りが御一人3千GAZU、通常席が1万GAZU、上級席が3万GAZU,貴賓室が100万GAZUです」
「俺でも簡単に乗れるのかな?」
「ステータスウィンドウのチェックで乗れますね」
「向こうでは?」
「向こうでも、ステータスのチェックでOKです」
「可視モードで見せるだけだよね」
「いえ。鑑定スキル持ちがチェックする事もあるそうです」
「そっか。鑑定されると気が付くもんね」
「はい。流石にここに天級の鑑定スキル持ちは配置されていないので、事前に鑑定しますとのお知らせがあります。
まあ、王都まで行く便には、天級の鑑定スキル持ちがチェックする事もあるそうですが」
「しかし、立ち乗りって大丈夫なの?」
「まあ、1時間かかりませんから」
「そっか。そんなに人の行き来があるのか」
「そうですね。公爵様の方針で、隣国との交流もと言う事で、立ち乗りまで用意してあるようです」
「そっか。まずはお金を貯めないとな」
「どうされるのですか」
「鉱山タイプの上層で狩りまくるか」
「冒険者の数が多いし、格納箱スキル持ちとか居ないと、お金稼ぎは難しいそうですよ」
「う~ん。とりあえず、南東の平原に行ってみて、それでダメなら北東の森に沿って狩りをしてみてかな」
「北東の森の付近は危険ですけど」
「Dランクとかまで出て来る?」
「いえ。Eランクでも群れを造っている魔物に冒険者パーティが全滅させられているので」
「そっか。まずは南東の平原で。駄目なら、隣の市のダンジョンを目指すか」
「それが妥当かと」
「ちなみに、注意すべき事とかマナーとかは」
「一般的な、魔物を取り合いは避ける、とかですね」
「嫌がらせとかは?」
「それは、普通にあります。どうしても、そう言う人材も出て来てしまうので」
「そっか。まあ、それでもステータスウィンドウに犯罪歴が出ない程度なんだよね」
「はい。都市に入れなくなりますから」
「そっか。おすすめの宿とかある?」
「はい。いくつか紹介できます」
そう言ってもらえたので、幾つかの宿を紹介してもらった。
主人公は、冒険者ギルドで色々な情報を得たようです。
それを今後の指針にするのでしょう。




