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第13話 スキルの付随効果

 神って感じの存在からの説明を受け、転生先の世界に戻るようです。

 意識が、魂が、自分の体に戻っていく。


 そこで、幾つかの選択を迫られ、それを終えると目の前が一気に開ける。


 ネイルベアに、逃げ出した父の狩り仲間や異母兄弟たちが殺されている。


 父の妻候補だった女性達は、一塊になったまま座り込んで動けない様だ。


 パニックになって騒いでいる人が居ないだけ、まだ良い状況だろう。


 真っ先に逃げ出した親父達以外は、騒いだり逃げたりした奴から殺されている感じだし。


 ‥‥‥。


 しかし、何て言うか、世界が変わった。


 ネイルベアの動きが遅く見えるし、冷静に色々と考えられる。


 ステータス。


 そう念じると、俺についての様々な情報が記載された情報盤であるステータスウィンドウが表示される。


 名前、年齢、レベル、状態、称号・賞罰、契約、スキル、ログ、備考欄、装備、ステータス、パーティ欄、時刻等の情報が表示されるので急いで確認する。


 ああ。さっき取得を選択し更に身に付けたスキルが載っている。


 これで世界が変わったように感じるのか。


 と言うのも、スキルにはステータスアップの効果があるからだ。


 この世界は、レベル制、ステータス制、スキル制が採用されている。


 ステータスは、HP、MP、筋力、知力、耐久、精神、器用、俊敏と、隠れステータスの幸運があると言われている。


 HPヒットポイントは、生命力。


 例えば、前世では心臓が破壊されると、脳に血液が流れない為15秒程度で意識が無くなり、1分程度で呼吸が止まるとされていたようだ。


 しかし、HPが高くなると、この15秒が30秒になったり1分になったりする。


 ただ、ゲームとは違い頭を破壊されると、もう即死状態になる。


 クリティカルヒットで即死って感じかな。


 まあ、前世なら出血多量で死ぬような場合でもHPが高ければ死ににくいと言う感じか。


 MPマジックポイント


 俺が所持し支配下にある魔力量。


 この世界ではスキル。


 つまり、アーツ(技術・技能)や魔法を使うのに使われる、前世には無かったステータス。


 まあ、ゲームではよく見るステータスだけどね。


 筋力は、力の強さ。


 知力は頭の良さだけど、魔法の威力へ係る上に頭の回転も速くなるので、結構重要なステータス。


 耐久は、丈夫さ。


 これが高ければ、鉄のナイフで皮膚に傷を付ける事すら出来なくなるらしい。


 連続して動く為の指標であるスタミナもこのステータスで得られるのだったか。


 精神は、精神力の強さか。


 魔法の威力や、敵の魔法への耐性や、状態異常への抵抗と言った事に係わる。


 器用さは、まあ様々な事への器用さアップだ。


 分かり易いのだと、初めて使う武器でも、直ぐに使いこなせるようになる。


 俊敏は、素早さ。


 体の動きを素早くするだけでなく、思考のスピードも上げてくれる。


 後は、隠れステータスと呼ばれている幸運だけど、まあ今はこれは良いか。


 実は、スキルを身に付けると、そのスキルに応じたステータスが上昇する。


 例えば、下級剣技だと、筋力が10、耐久が10、器用が10上がる。


 レベル1の時の人族の平均が、HP、MP、筋力等のステータスは全て100。


 これが、レベルが上がる毎に平均2ずつ上がるらしく、LV51でステータスが2倍に。


 LV101でステータスが3倍になる。


 それに得たスキルによりステータスがプラスされ、その人の強さになる。


 まあ、装備品にステータス強化が付いていて変動したり、呪で下がったり、スキルで一時的にステータスを上げたりとかステータスを変える方法は色々とあるけど。


 それは置いておくと、中級剣技になると筋力・耐久・器用が20、上級で40、特級で80,天級で160上がる。


 そして、多くの人が最低でも8~16個程度のスキルは得ていて、幾つかのスキルが中級以上になっているから、俺とはステータス、つまり数値上の強さが違っていた。


 それも俺は弱いと蔑まれた理由だったんだけど、今は良いか。


 で、俺はスキルを得て、そのスキルによる強さを手に入れた。


 ステータスだけでなく、剣技や魔法と言った力もだ。


 さて。


 ネイルベアが、逃げ出した連中から座り込んでいる親父の妻候補に狙いを変更し戻って来たようだ。


 彼女達にも憎しみや恨みがあるが、恩恵:百能を覚醒させてくれたお礼と言う事で、今回だけは助けるか。



 ゆっくりと歩いて来る俺に驚き、脅えたようになったネイルベア。


 野生の勘か何かで、俺の強さが変わった事に気が付いたようだ。


 立ち上がって威嚇をしてくるが。


 さて。どこまでの力を使うべきか。


 得た力をすべて使うなら、火魔法とかで倒せると思う。


 それだと、親父や村の連中とかと後でもめそうだしな。


 出来るだけ力を隠そう。


 何故、こんなに余裕があるか。


 スキル知識源泉は、俺だけに用意されたスキル。


 なので、スキルを装備すると上がるステータスを選べた。


 そこで、体や思考のスピードを上げられる俊敏を3つ上げる事を選んだ。


 理由は、他の存在より早く動ける事を俺が優先したから。


 更に言うと、俊敏を上げてくれるスキルは、あまり無いからだ。


 その効果と、スキルを15種も得たことにより、知力ステータスも上がり思考だけだけどスピードが上がっている。


 なので、体のスピードと意識のスピードが以前とは全然違うので、なんか変な感じ。


 色々と考えながら、戦闘すら出来そうだ。


 既に恩恵:百能スロットに装備されているスキル知識源泉のステータス強化効果も、ステータスウィンドウを確認する限り、スキルスロットのスキルと同様にステータス強化があるようだ。


 これならば、力を得て行けば殺し放題か。


 いや。


 相手は人だ。


 そんなに甘くないだろうけど。


 そう考えながら、ネイルベアを睨む。


 ついさっきまでは、この場で絶対強者であったはずのネイルベアが怯えている。


 奴が立ち上がって威嚇して来たところで動きを変え、奴の周りを走り回り、俺の動きに付いて来られるかどうかを確認する。


 よし、俺のスピードに付いて来られていない。


 大木を利用して奴の視線を切った後、動きをかえて奴の足元に入りアキレス腱の辺りを切る。


 奴は、立ち上がっていられなくなり、頭に剣が届く。


 全力で奴の首を切ったら剣が折れるかも、と考えた処で剣技スキルがこの剣は丈夫なので加減をすれば大丈夫と教えてくれた。


 剣技スキルの教えてくれる軌跡と力配分に従い、奴の首を切り、返り血を避ける。


 スキルを得ると、ここまで変わるとは。


 そう思っている俺の前で、ネイルベアの首が血を吹き出しながら地面に落ちた。

 スキルを得て強くなった。

 そう実感した主人公は、ネイルベアに戦いを挑み勝ったようです。

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