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第129話 ラシェルの武器は

 主人公は、逃亡しながらも色々と話したり準備したりを始めた様です。

 警戒しなくて良い処まで逃げて来られたのでしょうか。

 皆に睡眠スキルに付いての話をしていると、オグルド市の城壁に辿り着く。


 門を使うと門の使用料・通行料と言う名の税を払う事になるので、城壁の外側にある道を行く。


 実は、税を取りたいからとこう言う迂回路を潰している都市なんかもあるんだけど、この都市はちゃんと整備までしている様で舗装されている。


 まあ、無駄に税を払いたくない商人達との根競べで負けて、そうなっているだけかもしれないけど。


 城壁からデズモント達が飛び出してくるかもと注意していたが、それも無く無事に都市の先の街道に辿り着いて西に向かう。


 ここまでくると、領都からは200キロ以上離れている筈。


 まあ、冒険者ギルドの書庫で公開されていた情報が正しければ、だけど。


 一安心かな、と後ろに離れていく都市を見ていると、皆も何か思う処があるようだ。


 「都市で止まって、お休みしなくて良かったんですか?」


 そうラシェルは心配そうに聞いて来る。


 「ああ。正直あいつらが飛び出して来ないかって不安で、そんな気持ちにはならなかったな。

  物資の補給とか、したいとも思ったんだけどね」


 「食料とかは十分にありますよね」と、ラシェルが食料を入れてある魔法の袋や荷馬車内の食料類を見ながら言って来る。


 「ああ。だけど、タチアナの武器とか服とかね」


 「私達は最低限の物を持っていますけど、タチアナさんは準備する時間ありませんでしたから」と、ラシェルは腰に付けている鉄ミスリルの細剣に触れながらタチアナの方を見て納得した感じになってくれる。


 「まあ、服は俺が造ればいいのか。となると、問題は武器か。純ミスリル製なら色々と在庫があるんだけど、人前で鞘から抜くと目立ちそうだからな」と状況を皆に伝えると「私は、さっき貰った革鎧と鉄ミスリル製の武器で、問題はないけど」と、タチアナは不思議そうに言って来る。


 「イザという時に、魔物に剣が刺さりませんでしたって言うのも困るでしょ」


 そう言ってもタチアナは「街道沿いに移動していて、そんな事があるの?」と、まだ納得できない様だ。


 「イーサン村は滅ぼされていたからな。あの異常が、あそこだけなら良いけど」とまで言うと、確かに必要だと思った様で「そうか。私は槍でも良いけど」との事。


 「それなら一本在庫があるんだけど」と言いつつ、どうしようかなと思っていると「私が預かっている細剣や今タチアナさんが装備している剣ではダメなんですか」と、ラシェルが言って来る。


 「ああ。彼女が得意なのは、攻撃重視の盾無しの剣技だから、今の剣でも短い筈なんだ」


 彼女が戦いの時に持っていた木刀の形を思い出しながらそう言うと「そうなんですか」とラシェルの方は納得したようだけどタチアナの方が「ええ。でも盾も訓練した方が良いのかな」と、俺に聞いて来る。


 「まあ、盾も使えれば幅は広がるだろうけど」


 「スキル枠が空いているから、盾技も取得していいと思っているんだけど。でも、その口調だと反対なのかな」と、タチアナは少し不安そうに確認してくる。


 領主の3男とのトラブルで自信を無くしたのかもしれない。


 そう推測しつつ「いや。人それぞれだから、本人の判断だなと思っただけだよ」と言うと「それは、そうね」と、タチアナはどうすべきか考え込んだようだ。


 すると「旦那様、私は細剣を持っていて良いのでしょうか?」と、ラシェルが不安そうに聞いて来る。


 「う~ん。二人が剣技持ちだからね。まあ、1人は槍技も持っているけど。

  武器の多様性を考えると、斧とか槌と言うパターンもあるけど」


 そう軽めに俺の意見を言うとラシェルは「別の系統を鍛えた方が良いのでしょうか?」と、更に俺の意見を聞いて来る。


 「ああ。切る・突くが効きにくい相手も居るから、殴る・叩き潰す・叩き割る系の武器を持っている人が居る方が汎用的ではあるんだけどね。

  でも、その人の適正にあっていないと、スキル取得の為の援護や補正が無いからね」


 「私は何に適性が有るでしょうか?」とラシェルが不安そうに聞いて来る。


 「まあ、その辺はジックリ確認していくしかないね。

  スキル追加の宝珠が得られればスキル取得に関しては何とかなるんだけど、成長速度は才能の有り無しで違うらしいから、結局適性が有る武器を使うのが間違いないだろうから」


 俺がそうフォローすると「はい」と言いながら判断できず困っている感じだ。


 なので「後は、本人の勘も馬鹿にならないって話もあったかな」と、更に情報を与えてみる。


 すると「勘ですか」と、ラシェルは興味を持ったようで聞いて来るので説明を続ける。


 「そう。例えば槌とか持って、振って『これだ』と本人が気付く場合があるんだって。

  そう言う時は、その武器に適性が有る場合が多いと言う話だったかな」


 時間がある時に、スキル知識源泉に聞いた事を伝えると、ラシェルが黙り込む。


 「あれ。心当たりが有るの?」と、素直に聞いてみた処「随分昔ですけど、家の手伝いで斧で薪割していた時とか、金槌で釘を打っていた時に、あれって思った事があって」と、気になっている事を教えてくれる。


 「そっか。なら細剣ではなく、そっちを持っておいてもらった方が良いのかな」


 「でも、子供の遊び程度の手伝いをしていた時の話ですし、勘違いかもしれませんから」と、ラシェルは自信なさそうに言って来るけど「まあ、剣技を持っていないんだから、剣である必要はないし、金槌では無いけど、メイスタイプの槌と斧はあるからね」と、問題ないと伝える。


 そして格納箱から鉄ミスリル製の槌と斧を渡すと、また恐縮している感じだけど、前みたいに『奴隷に』とは言って来なかった。


 「まあ、スキルが取得出来たらラッキーと言う程度で、自分なりに怪我をしない様に意識しながら訓練すれば良いと思うよ。

  後は、タチアナに剣と槍を教わるのも同時進行でやって良いと思うし」


 「はい」


 「私が教えるんだ」と、タチアナは自分の名前が出た事で、考え込んでいたのを止めて俺に尋ねて来る。


 「そのプロでしょ」


 「父ほどではないけど。でも、貴方はどうするの?」


 タチアナは、皆が訓練している間に俺が何をするのかを聞いて来た。

 貴方はどうするの? とのタチアナからの質問。

 主人公は、どう答えるのでしょう。

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