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第128話 睡眠スキル

 主人公は、嫌な連中の居る領都から逃げ出し、仲間・従者と強くなる為に良い場所を探して移動を続けているようです。

 皆に裁縫スキルで造った防具とインナーを渡し、俺は馬車用ゴーレムにオートモードで進むように命令しておく。


 すると、馬車の御者をしてくれると言っていた防具を着たラシェルが馬車の御者台にやってきた。


 「ラシェル。遅くても都市が見えてきたら起こして。

  税金がかかるから都市には入らず迂回するつもりだけど、起きておいた方がいいだろうから」


 「はい」


 その返事を聞いて荷馬車の空きスペースで眠る。


 まあ、正確にはウトウトしたぐらいかな。


 探索スキルは起動したままだから情報は多く入って来るし、馬車のスピードを上げたから、それなりに揺れるし。


 都市が近づいて来て、雑多な情報が鬱陶しくなってきた処で、起きて御者台へ。


 するとラシェルが「申し訳ありません」と謝ってくる。

 

 「ん。何が?」


 「スピードを落とせれば、もう少しお休みになれたと思うのですが」


 「いや。体力にはまだ余裕があるし、こういう休み方をしたのは睡眠スキルを得る為でもあるから、気にする事はないよ」


 と、ラシェルに気を使わせないために、これもスキル上げの為だと言っておく。


 「そうなのですか?」とラシェルが首をかしげて不思議そうに聞いて来るので、良い機会だと教える事にする。


 「ああ。斥候系のスキルを教わった先生に聞いた話だと、こういうのでも取得出来るかもしれないから。

  睡眠スキルは、取得すれば睡眠時間を更に減らせるし、寝ながら警戒も出来るそうだから」


 「そんな事まで考えているんだ」と後ろの荷馬車の方からタチアナも声を掛けて来る。


 「ああ。生き残る為には、便利なスキルを多く取得して強くなる事が必要って思っているからね」


 そう言うと、しばらく考え込んだと思ったら「……、どうすれば取得出来るの」と、タチアナは素直に聞いて来た。


 「師匠は、野営の時に休みながらも警戒していたら取得したって言っていたね。

  寝ている時間にも警戒の意識を持っていたから取得出来たのか、暗闇の中で眠いのを我慢しながら警戒していたから取得出来たのか迄は分からない、だったかな」


 気になったので、スキル知識源泉にも聞いてみた処、両方取得のために役立つだそうだ。


 「私も完全に寝るのではなく、警戒しておけばよかった」と、タチアナは真面目に言ってくる。


 「私も、そうしておけば」と、ラシェルも少し悔しそうに。


 「いや。まだステータスが低いから、無理は禁物だろう。

  ああ。タチアナは強くなった感じがあるから、大丈夫なのかな」


 「ええ。あの後お父様に頼んで、魔物狩りをしてレベルを上げたから」


 「そっか。まあ、休める時は休んだ方がいいだろうし、焦っても数日でとれる様なスキルじゃない筈だから」


 「そうね。これから気を付ける事にする」と、タチアナは気持ちを切り替えた様だ。


 幾らでも機会はある筈だしね。


 「私も無理をしない程度に挑戦します」と、ラシェルはやる気になっている。


 ふとチェーリアを見ると目をそらされてしまったが、彼女も訓練をする気になっている様に見える。


 都市の中で生活するのなら必要ないかもしれないが、野営とかには必要だし、睡眠時間を減らした上で、睡眠不足と言った体調不良が無くなるし。


 起きていられる時間が増えれば、それだけスキル取得と言った事に時間を割けるかもしれないし。


 まあ、そんなに甘くは無いか。

 主人公は、少しずつ皆を強くする為の情報を明かし始めた様ですね。

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