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第12話 ごめんね

 神って感じの存在からの説明は、まだ続いています。

 でも、そろそろ終わりそうなのかな。

 恩恵:百能を使いつつ俺があの世界で頑張れば、母や前世の家族みたいな善人で優しい人達を救える。


 そんな事を言われてもな。


 俺に何が出来るって言うんだ。


 「その道標の一つだけど、恩恵:百能にセットする最初のスキルは君が選べない形で1ポイント使用させてもらい変更不可で百能スロットに付与させてもらった。

  スキルの名はスキル知識源泉。

  スキルを取得する為に必要な知識を教えてくれるスキルだ。

  他にも、恩恵:百能について色々と教えてくれるけどね」


 「スキルを取得する為に必要な正しい知識を広めて、人族を強くしろって事ですか?」


 師匠や先生たちが、弟子や生徒がスキルを得られる様に苦労し手間をかけて試行錯誤していた事を思い出しながら確認すると。


 「そう言う事。他にも、僕から君に伝えたい事があれば、このスキルを使って知らせる事にする。

  後は、偽装スキルも君に身に付けさせて上級にランクアップさせて置いたから、これで希少なスキル持ちと国から狙われる事もある程度防げるはずだし」


 ……。


 「ここまで言っても、まだ嫌そうなんだね。

  気に入らない奴は殺し放題。

  悪さもし放題。

  そんな力を得られると言うのに」


 「代わりに死んだら地獄では無いんですか」


 「それは無いよ。そんな事が出来るなら、ここまで僕に不敬な態度を取った君を地獄に送っているしね」


 ここで脅迫か。


 「……、ごめんね。

  信じてもらえないかもしれないけど、僕は眷族に人を選び、人を守護する人の神なんだ。

  人を愛している。

  それには君も入っているんだ」


 「あんな連中も、ですか」と、それは行き過ぎた愛情だろうとの意思を込めて神様に告げるのだけど。


 「もっと全てについて余裕があれば、もっとちゃんと教育がなされていれば、あの人達だって、もっとまともな人になっていた筈なんだ。

  それは僕にも責任がある事で、見捨てられないんだよね」


 ……。


 「勿論、救いようのない人族なんていっぱいいる。

  だけど、人族の多様性を認めている時点で、ある程度発生するのも許容している事になるんだ。

  神と言う私の立場だと、だけど。

  まあ、酷い目にあってきた君には、何の慰めにもならないだろうけどね。

  だから、君には世界を圧倒出来るほどの力を与える」


 「それ程の力とは思えませんが」


 「他の人に比べ、最大100ものスキルを、楽に早く取得出来る様になったんだよ。

  通常のスキルスロットと百能スロットを別枠にし使い易くしたから、本当のチートになったんだ。

  そして、スキル知識源泉の与えてくれる正しい知識・情報を自分達の為に有効活用すれば、それだけの力にもなるんだけどね」


 反抗的に答えてしまったけど、最大を想定すれば国すら亡ぼせそうにも思えるけど。


 だけど、それは無理だ。


 「所詮100の能力だから、レベルを100以上に出来る人から見れば、チートでも何でもないでしょう」


 「でも、得たい力を取捨選択し、他にあり得ない程簡単に取得可能になるよ。

  まあ、スキルを百能スロットに取得する為には相思相愛の上、相手に幸せな感情を抱かせる必要があるし、装備するには相思相愛の状態である必要はあるんだけど」


 「人を憎んでいる俺には、そう言う事は出来ないと思うんですが」


 そう嫌味を込めて、言ってみたのだけど。


 「村から出れば、力を得れば、前世の記憶や思いが君の人格に刻まれて行けば、その辺はまた変わるだろうから」


 「それに、幾らスキルを得た処で、下級や中級程度では生き残る事も無理でしょう」

 

 「そうだね。だからスキル知識源泉、偽装スキルだけでなく、戦利品向上スキルを君に付与し中級に強化する。

  これがあれば、スキルのランクやグレードを上げる昇華の宝玉すら、簡単に手に入るから」


 だとすると、複数のスキルを特級や天級に鍛えて、理不尽な力をふるえるようになるのか。


 だけど。


 「さて、そろそろ現実に戻り戦ってもらうかな。

  最後に、君は君の好きに生きれば良いから。

  強制されるのは、例え神だろうと嫌でしょ」


 俺の事を知ってくれているんだ。


 「まあね。だから、君は余程のことが無い限り、悪人にならない事も知っているから。

  愛してくれた人達の魂を悲しませないために」


 卑怯な事を。


 「ごめんね」


 最後まで謝っている神って感じの存在に複雑な思いを持ちながら、元の世界へと意識が戻っていった。

 主人公は、今まで生活していた異世界に戻るようです。

 そこでは何が待っているのでしょうか。

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