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第117話 宿敵との出会い

 主人公は、この領都から出発する為の準備を順調に続けています。

 ドワーフの武器屋で買い物を終えると程よい時間になったので、昨日行った商店に行き残金の支払いを終えて、幌付きの荷馬車と馬車用ゴーレムと幾つかの食料品を受け取り宿に向かって馬車を走らせる。


 その道中で、人が道を塞いでいる。


 それを避けようとすると、更に前に立ちはだかったので、馬車を止めて彼らの前に立ってみたけど。


 何だこいつら。


 騎士なのは、その統一された派手目の鎧を見ればわかるが。


 俺より強いか同じくらいのが一人。


 後の4人は、俺より弱そうだけど。


 そう思っていると、俺を探るような嫌な感覚がある。


 「あっ。こいつ鑑定に気が付きやがった。しかも、戦闘態勢になったから、見えやしない」


 そう言ってくる奴は、猫背気味で、背は俺より小さい。


 嫌味な顔をしている青年と中年の間位の年齢の人族の男。


 「それで、どうなんだ。いや。探索スキルで逸材なのはわかっているが」


 そう言う奴は、大柄で筋骨隆々の人族。


 正確の悪そうな岩の様な顔をしているが、この中では一番強いし、多分一番偉いのだろう。


 探索で探しだした人材を無理やりリクルート。


 こいつが、探索と刻印スキル持ちのデズモントか。


 「ああ。確かにそれなりに良いね」と言っている猫背が鑑定持ちのドミニクか。


 「ハッキリと言え」


 「戦闘中扱いだから、ランクまで分からないよ。装備待機中のスキルもね。

  でも、魔力操作、薬草学、魔法薬学、身体強化、察知、探索、剣技、槍技、受け流し、旅脚、精神異常耐性、体術、毒生成、商業学、火魔法、水魔法だから良いんじゃない」


 「なるほど。近接系、探索系、攻撃魔法とバランスよく持っているのか。それは助かるが、何故に馬車に乗っているんだ」と、デズモントらしき奴が俺に言聞いて来る。


 どう答えようか迷っていると、話術スキルが働き、何を言えば良いか教えてくれる。


 「これから、ダンジョンとか魔力だまりに行って、自分を鍛えるつもりだから、ですが」


 「ほう。なら、軍に入れるのはもっと後でもいいのか。

  ハッキリ言っておくが、お前にはもう俺のスキルで刻印をしたら、俺から逃げる事は出来ない。

  どこへ行こうと探し出して、我が軍に参加するか、拷問されて死ぬか奴隷になるかの選択肢しかない。

  自分より俺の方が強いのは気が付いているんだろう。

  時間が経てば、その差は大きくなる一方だしな」


 「と言うか、こいつなんか強過ぎない? しかも、なんかおかしいんだよな」と、鑑定持ちの猫背の男が不思議そうにしている。


 「ん。何がだ」とデズモントが聞き返すと。


 「こいつ、能力を偽装してるんだよね。レベル24ってしてあるけど、本当は38だし」と、鑑定持ちが俺の力をばらしやがる。


 それにムッとしていると「何? ああ。こいつ、アクセサリーをしている。その能力は」と、デズモントが更に鑑定持ちに質問している。


 アクセサリーは、偽装用の力だから見られても良いが。


 そう思っていると「ああ。銀の指輪に、銀のペンダントか。これに偽装スキルの力が付いているんだろう」と鑑定持ちのドミニクが納得した感じになった。


 「えっ。それではつじつまが合わないのでは」とデズモントとドミニク以外の騎士が言って来るが。


 「いや。付与魔術の能力偽装は天級だから天級の鑑定でも見破る事が出来ず銀の指輪と表示されるが、スキル効果追加の偽装は中級程度が付与されているので天級の鑑定で見破れると言ったパターンだろう。

  スキル効果付与で装備品に追加したスキルは、どうしても力が落ちるからな」


 そうデズモントが的確に答えると「ああ。そういう事なんですか」と、質問した騎士も納得したようだ。


 その騎士に「その辺をちゃんと理解しておかないと、裏をかかれると何時も言っているだろう」とデズモントは怒っている。


 勝手に誤解してくれるのは、と言うか偽装した通りに推測してくれるのは助かるが、デズモントは頭もそれなりに良さそうだし厄介な相手だ、と思いつつ表情をかえない事を意識しながら奴らの隙を探る。


 だけど、特級にした偽装スキルを見破るだけの探索スキル持ちなら、隙は無いかもしれない。


 「そんな事より、早く俺の鑑定スキルを天級の上限にしてくださいよ。そうすれば、裏をかかれることも無くなるし。

  何と言ってもかなめの力なんですから」


 そう言う鑑定持ちに「他にも要の力はあるからな。それに、今回は領主様の三男に命令を受けたんだから、しょうがないだろう」と、デズモントは鑑定持ちにはある程度配慮しつつモノを言っている感じの様だ。


 「あの2個の昇華の宝珠があれば、詳細が分かったのかもしれないのに、あのエロガキ。

  剣技槍技道場の娘を負かすのに必要とか、馬鹿でしょ。俺らの命がけの成果を」


 デズモントに諭されても、まだ鑑定持ちが文句を言っている。


 と言うか、戦利品向上スキルとか無いのに昇華の宝玉を2個も手に入れて帰って来たのか。


 こいつら強いのかもと思いつつ様子を見ていると「領主様の命令だから、どうしようもない。それより、こいつの事だ」と、デズモントの意識が俺に向かう。


 「まだ、鑑定出来ませんからね。戦う気満々みたいですよ」


 「ほう。俺達に勝てると思っているのか」


 そうデズモントは俺を見下した感じで言って来るが「無理かもしれないけど、戦争には行きたくないので」と、俺も意思表示をしておく。


 すると「何を言っているんだ、それだけの力を持っていて」と、どうもデズモントとは価値観が違う様だ。


 「人間には向き不向きがありますから」


 そう言っても「領民の義務だぞ」との事だから、こいつに何を言っても無駄だろう。


 そう思いつつも「ちゃんと、税金は納めていますから、それ以上の義務って言われても」と、行っていた処「ふん。痛い目を見ないと分からないらしいな」と、説得ではなく脅迫を終えて実力行使と言う感じになった様で、向こうの5人も戦闘態勢になったのを感知する。


 デズモントは倒したいけど、こいつは本当に俺より強いかもしれないから、奴と戦う前に他の厄介そうなスキル持ちの別の騎士達を殺すか。


 スピードで奴らを上回っていればだけど。


 いや、燃焼型の強化火弾をこの一帯に撃ち込み、生き残った奴に対処するか。


 周りに被害が出て、犯罪者になるんだろうけど、こんな奴の下には付きたくない。


 そう覚悟を決めた処で状況が変わった。

 主人公は、危機的状況になったようです。

 でも、状況が変わる様で。

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