第11話 相思相愛と同等に
主人公は、神って感じの存在のミスが無ければ、スキルを色々と取得出来ていた様です。
「一応、君に付与される力を言っておくか。
正確には、スキルスロットへの取得待機状態になり、君が世界に戻る時に取得するかどうか選択する事になるスキルだけど。
上級魔力操作、上級薬草学、中級魔法薬学、中級身体強化、中級察知、上級探索、上級剣技、上級槍技、中級火魔法、中級土魔法、下級回復魔法、下級水魔法、下級風魔法、下級魔力魔法、中級生活魔法、下級料理、下級裁縫、下級木工、下級採掘、下級鍛冶、中級鑑定、上級旅脚、上級農業、中級漁業、中級動物学、上級林業、上級狩人、中級操船、中級水泳、中級商業学、上級精神異常耐性、中級物理耐性、下級斧技、中級体術、下級盾技、下級毒生成,下級強打、下級受け流し、下級罠解除だよ」
ちょっと待て。
下級は本来なら取得出来ていない筈だから除くとしても、こんな数のスキルが得られていた筈なのか。
それに頭にくるが、今は置いておいて気になった事をまず聞く事に。
「鑑定とか、魔法薬学とか得られていれば、既に中級になっていて、上級でもらえる気もしますが」
「う~ん。あの環境だと流石に無理かなって判断になったんだ。まあ、トータルで力を見れば強化されているから、それで許して欲しい」
その説明に納得した訳では無いが「と言うか、中級上級だけ見たとしても、こんな数のスキルが、取得待ちになっていたんですか」と言いたい事をハッキリと言う為に話題をかえる。
「ごめんね。君は、多くの事について才能があるタイプの転生者だったんだ。だから、努力すれば多くのスキルが短期間で手に入った筈なんだ」
そう言われて更に怒りが募り黙り込んだんだけど、それは無視され、また説明が始まる。
「それで、百能のその他の機能についての説明を続けると、元々は相思相愛の人を幸せにしたら一人当たり1ポイントは手に入るのだけど、それを使ってスキルを手に入れると、ポイントが消費されて元に戻らなかったんだ。
だけど、スキルスロットの方で取得するとかして、百能スロットの装備枠からそのスキルを消すとポイントが戻る仕様に。
また、本来なら現在進行形で相思相愛の人数しか百能スロットにセットしたスキルの力を使えなかったのだけど、君が相思相愛の上で一度でも幸せにした異性が出来たらその人の数だけ永久にそのスロットを使えるように。
ただし、その日にスロットを付け替えられる数は、その時点で相思相愛の人の数だけと言う仕様に変えたんだ」
百能スロットに付け替える必要が無いよう計画し必要なスキルを付けていれば、相思相愛の人が居なくても良いのか。
でも、幸せって何だよ。
「それぐらい、曖昧でないと現状で百能スキルを使える状況では無いからね。
そこは、魔物の神と精霊の神の力と、魔族の神を含めた神々の同意により、本来は認められない程の力を百能に与える事が認められた」
縁結びの神だけでは実現できない使用条件の緩和が出来たって事か。
いや。世界の理で認められていない程の力と言う事なのか。
「更に、スキルスロット及び百能スロットで取得したスキルに付いては、百能スロットとスキルスロットとの間を移動させても、力は初期化されたりせずそのまま移動する事も可能にした。
まあ、変わった部分はもつ力を維持したままで移動できると言う部分だけどね。
ただ、百能スロットの装備枠でそのスキルを使い続け得ている限り、スキル取得の為の経験が得られないから、取得したいスキルがあるなら百能スロットの装備枠から外して取得待機状態にして取得の為の修行をする必要があるから、その事は意識しておいて欲しいけど」
なんか、仕様が難しくなったのか。
「そうだね。他にも、百能スロットの装備枠から外し取得待機にしたスキルについては、そのスキルが得ていた力は初期化され下級から再度鍛える形だったのだけど、その力を蓄えたまま待機させる事になった。
まあ、簡単に言えば、一度スキルが得た力はスキルを消滅させない限り力が維持されるようになった、で良いのかな。
かなり、便利になったでしょ」
「なんか、スキルスロットと仕様が違う気がするんですが」
「スキルスロットは、装備、装備待機、取得待機の3つの状態があり、取得したスキルはレベル数までしか装備できないと言う条件内なら装備枠と装備待機枠に好きに付け替えが出来るからね。
それに対し、百能スロットは、装備、取得待機の2つの状態しかないし、相思相愛の人を幸せにした人数しか装備枠が無いし、装備枠のスキル変更には相思相愛の人が居ないと出来ない仕様だからね」
「凄い力だから、不便にした部分もありそうですけど」
「それもあるね。
それで、使い易く変更した点に話を戻すと、他にも、愛し合う女性に付与したり付与したモノを戻してもらう時も、力が初期化される仕様から力を維持したままになる仕様に。
女性に下級のグレード0で付与する場合には君の力は劣化せず、貸す力の大きさも指定出来、その女性から女性が鍛えた力を回収し、君の力を強化するなんて事も出来る仕様になったんだよ」
「簡単に言いますけど、百能スキル取得ポイントでしたっけ。あれすら俺では得られないと思いますけど」
「それなんだけど、先ほど君がネイルベアから庇った16名の女性達。
彼女達は、自分達にすら劣る君が、自分を庇って前に出たことに心を動かされたんだ。
勿論、恋愛感情とまでは行かないのだけどね」
「それはそうでしょうね」
「だけど、命がけで異性を守る男とそれに思慕する女性達と言う特殊な状況を鑑みて、今回はそれを1日だけ相思相愛になり相手を幸せにした状況と同等とする事にした」
……。
「そんな嫌な顔をしないで」
「あの連中には、好意を持つどころか、嫌悪と憎悪しかないですけど」
「君の幼馴染も居るんだけど。
でも、君の居た境遇からするとしょうがないんだろうね。
だけど、今目覚めた力で君の目の前にいる魔物を倒せたとしても、今後も出会う魔物達に勝ち続ける為には、傲慢な人族に打ち勝つためには、百能の力も必要なんだ」
それでも嫌だと思っていたのだけど、神様はそれを無視する事にした様だ。
「それで、彼女達16人分の思いにより恩恵:百能が覚醒。
その上で君は、百能の16スロットが使用できるようになり、百能スキル取得ポイントが16ポイント得られた。
それを使って生き残り、君の望む形で人族を救って欲しい」
なんで、自分の嫌悪する存在を救わなければならないのだろう。
母や前世の家族達か。
確かに、そんな人たちも居るのだろうけど。
「そう。今の人族の世だと、そういう人達は酷い目にあっているかもしれない。
それも正していけるんだ」
そんな事を言われてもな。
俺に何が出来るって言うんだ。
主人公が救いたくなる人達も、この世界に居るのだろう。
だから、頑張って言われても。
変更点
百能スロットの装備待機枠を無くし、装備枠と取得待機枠だけに変更。




