第106話 幾つかの買い物
主人公は、この領都から移動を開始する為の買い物に向かう様です。
ラシェルとチェーリアに自衛の為の戦いに許可をだし、買い物に行く事にした。
この世界では、天級土魔法の大地創造により、城といった巨大な建物の建築が重機や数万人以上の人手が無くても可能である。
しかも、この領都はそれなりに人口も多いので、巨大な建物も必要だし、土魔法使いに払うお金も有るのだろう。
土魔法で造ったであろうコンクリート製の大きな建物が結構建っていて、その中には百貨店みたいな店も幾つかある。
その中で、母がよく行っていた店に行ってみると、それなりに繁盛している様だ。
その8階建てのビルの様な店を一通り見て回ったけど、欲しい物が多すぎ。
しかも、高い。
まあ、配下となってくれる奴隷が500万GAZUで済んだから資金に余裕は有るのだけど、それでも欲しい物を全部買う事は出来なさそう。
なので、まず最低限買わなければと思っている馬車と馬車を引くゴーレムを買う事にしたのだけど、値段に幅がある。
全部木で作った、雨や風避けのホロも無い昔の馬車と言う物だと新品の4~6人乗りなら10万から20万GAZUで買える。
少し大き目の荷馬車ならその倍かな。
でも、乗り心地に拘ると、木工スキル持ちだけに作らせた馬車では駄目で、製造にレアスキルである魔機工学スキル持ちに関わってもらうので、べらぼうに高くなる。
これベアリングとサスペンションとタイヤじゃないか、と思った物が付いている馬車なんて、100万から1000万GAZUだ。
まあ、買えるんだけどさ。
でも、動力付いていないんだよ。
ゴーレムの方も、ミスリルゴーレムなんて必要ないから、ウッドかブロンズかストーンかアイアンで良いのだけど、これもピンからキリまで。
と言うのも、作成者の人形作成魔法スキルのランクが下級、中級、上級等とランクが違うと、ゴーレムの機敏さとか適応能力とか力が違ってくるので、本当に幅がある。
下級の人形作成魔法スキル持ちが造ったウッドゴーレムなら10万GAZU、中級なら50万GAZU、上級なら100万GAZUと言ったように。
と言う事で、出費を抑える為に、中古にしました。
それも上級の。
上級ストーンゴーレム(馬車用:人型)の中古を80万GAZUで。
まあ、結構傷んでいるけど、御奉仕品だったかな。
と言うか、ウッドゴーレムの核と、ストーンゴーレムの核は持っているし、人形作成魔法も下級で持っているので、人形作成魔法スキルに昇華の宝玉を使えば結構良いものが俺にも造れそうなんだよね。
だから、ここは傷んでいても良いかと妥協しました。
まあ、十分良い物だけどね。
後は、ゴーレムだけでも格納箱に入れられる大きさ3メートル以内にしたと言うのもあったか。
荷馬車の方は、車輪の軸にサスペンションが付いていて、木の車輪にはゴムの様な物が張り付けてあるモノにしました。
ゴムの様な物は、魔機工学で造った、耐久性が高く変形しても元に戻る発泡スチロールみたいなモノかな。
もっとも、全然強度が違い少々走っても摩耗しないみたいだし、小石を踏んだくらいなら、これがショックを吸収してくれるので、乗り心地は大分良い筈。
サスペンションも機能しそうだし。
しかし、希少な魔機工学スキル持ちが関わっていると言う事で、中古なのに200万GAZU.
まあ、雨除けのホロ付き荷馬車にもなるタイプで、詰めれば12人乗れそうな中型だからしょうがないか。
ゴムの様な物の張替えで受け取りは明日になるが、しょうがないだろう。
別の店で買った物を荷馬車に積み込むより、ここで買って荷馬車に積み込んでもらっておいた方が楽だろうと言う事で、同じ商館で果実酒の樽とかビールの樽とか穀物や豆類やイモ類や塩や味噌等を袋や樽で購入し積み込んだ状態で納品してもらう事にしたが、まあ良いよね。
お店の人には「行商人におなりになるのですか」とまで聞かれたが、知り合いに食料を届けるだけと言っておいた。
行商人は、行商人で縄張りとかある筈だしね。
荷馬車とゴーレムの代金280万GAZU、お酒と食料品の代金82000GAZUについて前払いとして半額を払い、受け取り証を受け取り、次の買い物へと向かう事とした。
主人公は、結構な買い物をしたようです。
しかし、まだ買う物があるようで。




