第10話 スキルスロットとスキル
神って感じの存在は、なんとしても主人公に人族を救済を頑張ってほしいようですが。
「それで、覚悟を決めてくれたかな」
そう言われても『あの世界に戻り世界と戦うような事はもう嫌だ』と何度言っても認めてくれないのに、何が覚悟なんだ、と思っていると。
「なら、もう一度あの世界に戻ってから決めればいいよ。
それで、スキルについての説明を続けるよ。
スキルの覚醒条件は、さっき言った通り。
でも、それだけではないんだ」
縁結びの神って事は、それに関するのかな。
「そう言う事。
百能は最大100能力を装備でき、100の能力を装備待機にできる。
能力。
つまりスキルの事だね。
でも、それは最初スキルに溜まるポイントと言う形なんだ。
正式な名称は、百能スキル取得ポイントだったかな。
そのポイントは、君と相思相愛になり幸せにした相手の数だけ増えていく」
なんだそれ?
「そして、そのポイントを使い、君が見るか感じた上でその力について認識・理解した事のあるスキルを取得する事が出来る様になる。
その取得できる様になったスキルは、最大100個のスキルを装備できる百能スロットに対し、装備したり外したり出来るんだ。
この辺は、この世界のレベル数の2倍取得出来るスキルをレベルの数だけスキルスロットに装備したり外したりして調整できるのと同じだね」
いや。同じじゃないだろう。
色々と破綻しているハーレムスキルじゃないのか。それ。
「そして、百能の場合スキルを装備したり外したり出来るのは、本人だけじゃない。
相手の女性にもスキルを付与したり外したりできるんだ」
その力で、相手を束縛しろって事?
「それで愛情が得られ続けるならね」
ああ。相手と相思相愛状態じゃないと駄目なのか。
「そう言う事。
相手と相思相愛でないと、使えるスロットが減っていき0になり、そうなるとまたスキルが未覚醒状態になるんだ」
そんな仕様なら、アッサリ死ねそうだな。
それは俺の責任ではないし。
「その可能性もあるよね。
だから仕様を変更した。
他の神々の了承を得て、魔物の神と精霊の神の力を得てね」
仕様変更?
「そう。まず百能で得るスキルは、その人のレベルの2倍の数までしかスキルを取得出来ないと言う理の外に置いた。
スキルでは無く、恩恵:百能とする事で。
それにより、君が努力した結果得られた筈のスキルは、今この時を持って発現し、強化して君に付与される」
なんだそれ。
「強化したのは、本来得られている筈の力を与える為と、君に対するお詫びだ。
更に、追加のお詫びと言う事で、取得途中のスキルに付いても取得の為の経験値を数倍にした事で、本来なら未だ得られなかったはずのスキルも取得した形になる。
また君も知っての通り、スキルにはそれぞれ下級、中級、上級、特級、天級の5ランクがあるのが前提になるんだけど」
「ええ。でも、ステータスウィンドウ内のスキル名を注視すると経験値の表示なのか0から数値が増えて行きく表示がある上に、スキルを使っているうちに新たな力が得られるからランクの中にも細かいグレードがあるのではって話ですが」
「そうだね。まあ、今回の説明には関係ないけど。
それで具体的に言うと、剣技や槍技なんかは本来中級になっていたであろうと言う事で、上級で付与した。
火魔法や土魔法は、本来なら下級だったので、中級に。
裁縫や料理や水魔法なんかは、ある程度取得の為の経験値が溜まっていたから、下級で君に付与された」
なんだそれ。
スキルが取得出来なくて、あんなに苦労したのに。
嫌がらせもあったのに。
黙っている俺の怒りが分かったようだけど、神って感じの存在は説明を続ける様だ。
「一応、君に付与される力を言っておくか。
正確には、スキルスロットへの取得待機状態になり、君が世界に戻る時にどれを取得し装備するか選択する事になるスキルだけど。
上級魔力操作、上級薬草学、中級魔法薬学、中級身体強化、中級察知、上級探索、上級剣技、上級槍技、中級火魔法、中級土魔法、下級回復魔法、下級水魔法、下級風魔法、下級魔力魔法、中級生活魔法、下級料理、下級裁縫、下級木工、下級採掘、下級鍛冶、中級鑑定、上級旅脚、上級農業、中級漁業、中級動物学、上級林業、上級狩人、中級操船、中級水泳、中級商業学、上級精神異常耐性、中級物理耐性、下級斧技、中級体術、下級盾技、下級毒生成,下級強打、下級受け流し、下級罠解除だよ」
なんだそりゃ。
百能の仕様変更で、結構な数のスキルが取得出来るようです。




