PXとしきたり
4月5日の入校式(各学校の入学式に当たるもの)を終えるまでは、新入生は御客様扱いされるが、入校式を終えると180度待遇が変わる。怒号が上級生から下級生へと飛び交い、整理不良のベットはひっくり返される。
極端な場合は、寝室の窓から毛布が放り出される事もある。そうやって新入生はここが、国費で賄われた士官養成学校である事を叩き込まれる。
防衛大学校にも、売店があるのだが、防衛大学校では売店の事をPXと呼ぶ。語源は米軍用語であるpost-exchangeであり、日用品や雑貨や文房具に小さな書店があり、別棟には理髪店やクリーニング店、軽食堂等もある。
一日の時間の中で講義を受けている以外のほとんどを過ごす事になる自習室と寝室には必要最低限の物しかない。自習室には、2段の書棚と蛍光灯のスタンドに机(木製片袖)が4人分ずつ部屋の両側に計8人分ある。寝室には鉄製の2段ベットが4つ計8人分と、スチール製のスタンドロッカーが1人1つずつと木製のフットロッカー1個がある。
午後7時20分から9時50分までは、自習時間が義務付けられており、自習室で過ごすが休憩時間以外は、各自のテーブルで自習に専念して、談笑は禁止である。
僕、俺→私や、自分以外の人間には~さん。或いは、~学生と呼ぶと言う言葉使いも、将来幹部自衛官に成る為に、徹底的に矯正させられる。防衛大学入校時には、恐らく防衛大学校だけであろうが、銃の貸与がある。4年間を通じて管理し、訓練や整備のすべてを貸与された銃で行う。防衛大学校設立の際には、米国製のM-1ライフルが貸与されていたが、この貸与される銃はその時代の自衛隊部隊に配備されている標準装備になっている物が学生に貸与されるのである。
入校式には全学生(約2000人)も、参加する。防衛大学校体育館における入校式典であり、新入生代表による宣誓や、防衛大臣の訓示や、校長式辞が行われて、学生隊による観閲式が行われるのである。