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ナショナル・ディフェンス・アカデミー(NDA )~防衛大学校青春物語~陸上自衛隊幹部候補生課程~  作者: 佐久間五十六


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悩める防衛大学校学生

 防衛大学校学生もロボットでは無いから、恋もするし人並みの人生を辿る事になる。健全な若人であれば、異性を意識しないはずがない。現在の防衛大学校学生には女子学生もいるから、防衛大学校学生同士が恋に落ちる事も珍しくは無くなったが、1995年の男女共学化より前の防衛大学校は男子校であった。その頃の名残りなのか、防衛大学校学生目当てのコンパ所謂合コンもよく開かれている。

 恋愛や結婚は個人の自由である。防衛大学校学生だから人を好きになってはいけない等と言うルールはどこにもない。覚悟があるなら結婚も出来る。その事に関しては以前に述べた通りである。防衛大学校での日々は、確実に人を自衛官に変えさせ得るものである。名目的には、士官候補生育成の為の国立大学と言う事になっているのだが、現状は陸海空各自衛隊の士官候補生を養成する場所であり、生易しいメルヘンティックなスクールライフを送る場所ではない事は確かである。

 先輩から後輩へと受け継がれてきた伝統は、年月を越えて自衛隊幹部として必要な資質を養う為に、欠かす事の出来ないポイントを網羅していると言える。20代前半で将校と呼ばれる制服組ピラミッドの上級階級に位置する事になる防衛大学校学生が、将来的には自衛隊の核を為して行く事になる。出世のスピードは、異なるかもしれないが、それでも防衛大学卒業の自衛官が部隊の屋台骨となる事は確かである。

 当然の事ながら多くの部下を率いて行く事に成る訳であるが、防衛大学校学生の中には、部下と上手く行かなければどうしようと言う悩みを持って学生もいる。百々のつまり、防衛大学校卒業のエリートであったとしても、人間関係には苦労すると言う事である。同期の防衛大学校学生の中でさえ、付き合いづらい、言うなればそりの合わない人間はいるわけであり、人間関係に悩まない防衛大学校学生はいない。世間のイメージだと、防衛大学校学生と言えば、完全無欠で非の打ち所の無い完璧主義者をイメージしてしまいがちであるが、実際はそうではない様である。

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