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ナショナル・ディフェンス・アカデミー(NDA )~防衛大学校青春物語~陸上自衛隊幹部候補生課程~  作者: 佐久間五十六


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水泳訓練と赤帽組

 陸上要員で特殊作戦群志望だった道上にとって、実戦で直接役に立ちそうな部活動は、銃剣道部以外に無かったのが、その志望理由である。部活動に参加すると、夕方は特に忙しい。練習後から自習時間までの短時間で風呂に入り、素早く夕食を済ませ19時までには学生舎に戻り、自習の始まる19:20までに寝室と共用の場所の清掃を終え、自習を開始する。起床から消灯まで時間に追われる毎日である。よくしたもので、一日のリズムが決まって来ると、それが当たり前になり、苦痛を感じなくなる。寧ろ、多忙と言う自らの事に快感を覚える様になる。

 白く輝く入道雲は夏の風物詩である。台上にただずむと、東京湾や房総半島の上空に雄大な入道雲が立ち、力強くもくもくと成長している姿が目に入る。3週間の夏季定期訓練は、水泳訓練が大半で、10メートル飛び込み台からのジャンプと8㎞遠泳が最後の関門として待ち構えている。1年生の中には、ほとんど泳げない者もいるが、道上もカナヅチで赤帽組に入ってしごかれた。10メートルと言う高さは、人間が最も恐怖を感じる高さであり、台上から見下ろすとプールが小さく見え、ジャンプするとプールの外に飛び出してしまうような、恐怖感に襲われる。道上は10メートルの高さに立った時、足がすくんだが、意を決して頭から飛び込むと、水面に自分の影が映っており、着水まで時間がかかったのか如く感じた。

 やがて、顔面を濡れタオルでバシッと叩かれた様な衝撃があり、水中に突入した。遠泳は、小原台直下の伊勢町海岸沖で8㎞行われた。雨にも関わらず遠泳は強行された。船から落ちた時にいつも晴れている訳ではない。と言うのが雨天時強行の主な理由であった。その為、海上の視程不良で結局、伊勢町海岸沖を17周する6時間の時間泳に変更される事になった。東京湾を横断して房総半島の富津岬まで、その後横須賀沖の猿島往復が定番コースではあったが。1、2年生全員参加の全員完泳の目標。これが終わり、校内水泳競技会を終えればいよいよ念願の夏休みである。

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