学生隊学生長
日夕点呼は、小隊週番学生が中隊週番学生に「第何小隊、総員何名、事故何名、現在何名、事故の内訳…」と、大声で報告する。中隊週番学生は巡回して来た大隊週番学生に、中隊の異常の有無を報告し、中隊に「解散」を命ずる。ちなみに週番学生は、4年生が一週間交代で務める。22:15の25分間自由に成るが、22:15には全員がベットに潜り込んでいなければならない。
時間厳守には厳しい防衛大学校であるから、一秒の乱れも許されない。土曜日の午後及び日曜祝日は休暇と呼ばれる休暇の日である。外出は土曜日の午後、日曜祝日、つまりは休暇の日に認められており、第2学年以上は毎月1回の特外(外泊)も認められる様になる。共に起居し、共に鍛練する団結ある一団として、4年間を過ごす。これも全ては、自衛隊幹部になる事を想定した上での事であり、学生のうちから体に叩き込んでおく狙いがある。
陸海空どの部隊に配属になったとしても、防衛大学校で学んだ事がベースとなって行く。幹部候補生課程も含めても、たった5年間しか時間はない。問題が無ければ、5年間で士官に成ると言うのが、防衛大学校学生と言う制度である。恐らく、日本中の誰よりも幹部自衛官になる為の最短コースであり、最良のエリートコースと位置付けられいる。自衛官候補生から幹部自衛官に成れるまでの可能性の低さを考慮すれば、何と恵まれている事であろうか。
余談に成るが、学生隊学生長と言う防衛大学校学生のトップに立つポストがある。中学や高校で言う所の生徒会長とでも言えば分かり易いだろうか。この学生隊学生長に成ると任官後の出世はほぼ間違い無いと言われており、多くの防衛大学校学生の目標となる。ただ、このポストに就く為には多くの学生から認められ、成績も良好なものでなければならない。エリート揃いの防衛大学校学生の中でもエリート中のエリートにしか成れないポストであると言える。




