扉の向こう側
982が入った扉の先の部屋は、青空が広がり、木々が生い茂り、花が咲き、七色に光る蝶が舞う場所でした。
いつも見ていたグレー一色の世界との違いに、982はとても驚きます。
呆然とその景色を眺めていると、982の前に一匹の蝶が近づいてきました。
きれいな七色に光る蝶です。
それに気づいて982は、その蝶に触れてみたくなり、手を伸ばします。
すると、その蝶は手の上に止まり、羽を上下させました。
982はその様子をじっと眺めます。
少しの間982の手に止まったあと、急に飛び立ちある方向へ少し飛びその場で止まりました。
まるでこちらに来るよう982を誘うように8の字を描きとどまっていました。
それを見た982はまるで誘導されたかのように、蝶の方へ歩き出しました。
982は今まで決まったことだけをしてきたので、いつもと違うことをすることに戸惑いがありましたが、蝶についていきました。
蝶はどんどん林の中を進んでいきます。
それに続いて982もどんどん林の奥へ進んでいきました。
すると、あたりがだんだん暗くなっていき、ついには真っ暗になってしましました。
でも、蝶が七色に光っているため、その光を頼りに982は歩いていきました。
真っ暗な道を進んでいくと、また扉が見えてきました。
その扉を照らすように、扉の横にはランタンが机の上に置いてありました。
扉の周りだけ明るいのは、そのランタンのおかげでしたが、ランタンの中には蠟燭があるのに火がついているようには見えませんでした。
蝶はランタンの上に止まり、ランタンを持つように促します。
蝶は何もしゃべっていませんが、そう言っているのだと982にはなぜかわかりました。
ランタンを982が手にすると、次は扉を開けるようにと言っているように、蝶は扉をすり抜けていきました。
蝶の言うまま、982は扉を開け、中に入っていきました。