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人形作りの人形  作者: 天桜犀 海陽
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人形作りの人形の一日

あるところに、人形を作っている人形がいました。

彼らは毎日朝起きてご飯を食べたら、自分の部屋から出て、作業場へと向かいます。


そこで彼らは、毎日毎日うっすら白い透明の粘土をこねて人形を作っていました。

その人形は、作っている彼らと同じ姿に整えられていきます。

出来上がった人形は、彼らと同じように体の中に番号が刻まれ、同じように人形を作るのです。


そんな彼らは、粘土と同じうっすら白い透明な二頭身の体に、真ん丸な頭、いわゆるお土産屋さんにあるさるぼぼのような姿をしていました。

顔に目や口はなく、つるんとしています。


そんな彼らが食べる食事は、小さな色のついたビー玉のようなものです。

それをスプーンですくって、口と思われる場所に近づけると、するんと解けるように体に吸収されていきます。


そんな食事を朝と昼と晩の3色食べます。


お昼休憩もある、しっかしとした職場でした。


そんな日々が続いたある日のこと。


いつもと同じように起きて、ご飯を食べて、仕事を終えた982は、ほかの人形たちに挨拶をして、自分の部屋へ帰りました。

無機質なドアが自動で開きます。

人形たちが住み、働いている場所の全てのドアには取っ手がついておらず、自動で開きます。

そのドアがどうやって開いているのか、どんな素材でできているのか人形たちは知りません。

というよりは、知らなくても過ごしていけるのです。


そんな無機質なドアの先にある、ベッドと机といすだけがある無機質な部屋の中に982は入ります。

机の上には、晩御飯である食べ物が置いてありました。

982は食事をとると、寝ようと思いベッドの方へ行きました。

すると、ベッドの横にはいつもはない扉があったのです。


いつも出入りしている扉とは違い、取っ手があり、木でできている扉は、まるで自分で開けて入っておいでと誘っているようでした。


いつもとは違うものがあることに、982は戸惑います。

戸惑いつつも、どうしてもその扉が気になった982は扉に手をかけ中へと入っていきました。


その部屋に残ったのは、無機質なベッドと机といす、そしてグレー色の壁のみでした。


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