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10-06


コノエはサラの様子をじっと見つめた。まるで悟りでも開いたかのような穏やかな顔で、その少女は空を見上げている。


この子には資格がある。そう思ったコノエは、肩からさげていた白のポーチからゴソゴソと何かを取りだした。


「生きる意志のあるものには『生』を、死ぬ意志のあるものには『死』を。それが我々のスタンスなの。自ら命を絶つのは悪だとか、将来を無駄にするなとか、そんなのはただの綺麗事」


ポーチから出てきたのは、丸くてオレンジ色をした1錠の薬。人差し指に、ちょこんと乗る位の大きさだ。


「これが...」


サラは手のひらを差し出し、恐る恐るその薬を受け取った。薬は街灯に照らされ、そのオレンジ色はより際立った。


「これが私達の開発した、最も確実に、安らかな死を得られる薬。これを飲むと全身の感覚が薄れ、徐々に意識が遠のいていく。そして1分ほどで確実な死が訪れる。サラちゃんは............これを飲む資格がある」


コノエの茶色い瞳が、サラを捉えて離さなかった。


サラは唾をゴクリと飲み込み、小さく(うなず)いた。

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