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静かな公園に、トラックのエンジンの音が鳴り響く。発車したトラックはあっという間に遠くへ行ってしまった。
「さ、コノエも寮に戻るぞ」
ボスはそう言って、コノエに右手を指し出した。
「...嫌だ」
コノエは地面に座り込んだまま目を逸らし、立ち上がろうとはしなかった。
「はい?」
「嫌だ。私は...もう行きたくない。こんなはずじゃなかった...」
コノエは俯いて涙を流しては拭い、また涙を流した。制服の袖はぐしょぐしょに濡れ、しわになっていた。
「...そうか」
ボスは小さいため息をつき、コノエに背を向けた。
「お前は全然ドナーを持ってこない、ダメなやつだったよ。ただ、若い女は信用されやすい。それだけだった」
ボスは今までで一番冷い声でそう言い捨てた。靴の音はどんどんと遠ざかっていく。歩きながらスマホで誰かと電話してるようだった。そして車のドアを閉める音が聞こえると、すぐにエンジンがかかり、あっという間にその音は遠ざかって消えていった。




