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「サラちゃん!!!サラちゃん!!!」
コノエは大粒の涙を流し、サラの体を何度も揺らして叫んだ。しかし、サラの体は自ら動くことはなかった。
「あ、そうだ救急車!」
サラはポーチから急いでスマホを取りだし119を回そうとする。しかしその時、コノエの手首を掴む者がいた。がっしりとした大きな手が、コノエからスマホを取り上げた。
「そんな騒がなくていい。大丈夫だから」
野太い男の声だった。コノエは声の方に振り返る。コノエの背後には、黒いスーツに臙脂のネクタイをつけた40代くらいの男が立っていた。
「あ、ボス!サラちゃんが....サラちゃんが!!」
コノエはボスと呼ばれる男の腕を掴み、必死で叫んだ。ボスはコノエの手をそっと離し、落ち着いた声でコノエに語りかけた。
「分かってる...。仕方ない事だったんだ」
「...え?」
ボスはコノエの目線に合わせてかがみ、コノエの頭にぽんと手を乗せた。
「ドナーが足りてなくてな。若い内蔵が必要だったんだ。でももう大丈夫。サラちゃんのおかげで多くの子供たちの命が救われるんだ」
「...そん...な........ボスが仕組んだってこと?」
コノエは両手を頬に当て愕然とする。その問いに、ボスは何も答えなかった。




