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05-01
「今日は私の家に泊まってきなよ。小さな寮なんだけどね」
コノエは柔らかい声でそう言い、にっこりと笑った。
「ありがとうございます」
「...あ、忘れてた!実はちゃんと生きる人用の薬って言うのもあるんだ」
コノエは思い出したようにそう言い、ポーチの中をごそごそと探る。そして中から、1錠の薬を取りだした。
「...これは?」
コノエの人差し指の上には、先程とは違う、白くて細長い薬があった。
「これを飲むと気分が良くなるの。ちょっとした景気付けだよ」
「ありがとうございます」
「お水は要らないからね」
サラは薬を受け取ると、すぐに口に含んで飲み込んだ。薬はスルスルと食道を通り、胃に入る。すると胃の中はヒリヒリと痺れていき、全身が怠くなっていった。
「コノエさん...なんだか頭がぼーとします。だんだん眠くなってきました」
サラは頬を赤く染め、とろんとした目で空を見上げる。その瞳はゆっくりと閉じられ、表情が溶けていく。
「...サラちゃん?大丈夫?」
「...わた....し...........」
サラはそれ以上喋らなくなり、膝の力がすっと抜けて行った。倒れそうなところを、コノエは慌てて抱きかかえた。
「サラちゃん...?サラちゃん!!!!」
コノエは必死で呼びかけたが、ぐったりとして全く動かない。サラは息をしていなかった。




