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夫婦の話

「鳴るなアラーム……帰って来い日曜日……」

「日曜日さんの出勤日は翌週までありません」

「おーまいがー」

「はいはいさっさと起きる」

「ううむ」

「着替えてから来てよ。あと顔洗って。髭剃って。何ならシャワー浴びろ臭うわ」

「やかましい加齢臭だ」

「だまらっしゃい少しは足掻け」

「くそう」

―――――

「ん。ちゃんと着替えて来たね」

「なんかアイロンかかってない?俺昨日かけた?」

「私がやりました」

「ありがてぇ」

「ついでにパンツの皺も伸ばしておきました」

「最高か」

「さらには靴墨も入れてあります」

「どこに振り込めばいい?」

「支払いはハグでどうぞ」

「やっす。バーゲンセールか」

「頭を撫でるなどすると向こう一週間ほどアフターサービスが付きます」

「クーポン当たってるし」

「一週間支払い等を欠かさなかった場合、土日のご飯が超豪華になります」

「もはやスタンプカードの特典」

「いぇーい」

「いぇーい」

「ところでバーゲンセールという表現には少々ムカッと来ました」

「その心は」

「安く買い叩くんじゃねえ」

「……叩き売り?」

「しばくぞ」

「おやめください。布団たたきはおやめください。干されてしまいます」

「ご安心ください。柄で行きます」

「刺さると思います」

「私もそう思います」

「……株主優待」

「今日のところは許してやろう」

「あり難き幸せ」

―――――

「はい鞄」

「なるほどこれがアフターサービス」

「いえす」

「それで?」

「はい?」

「どこのバッグが欲しいんでしょうか」

「いやーなんのことかなーわかんないなー通販でポチる準備出来ているとかそんなわけないよなー」

「知ってた」

「合意と見てよろしいですね?」

「ハイ」

「じゃ、行ってらっしゃーい」

「ハーイ」

新しい鞄を買うため奮闘する妻と色々察して諦めた夫の、夫婦漫才に全力を注ぐ朝の話

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