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影闘士 ―Shadow Slayer―  作者: 玉子川ペン子
第二章
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第四十三話 同級生

 影闘士の兄妹と出会ってから半月後、四月に入り結羽達は高校2年生になった。学校ではクラス替えがされて、結羽にとって初めて会うクラスメイトもクラスの半数はいる。その中で、結羽は教室の端の方の席に座っているクリーム色の髪の男子を見つけた。半月前に出会った影闘士だ。

 結羽は彼にゆっくりと近づいて、声をかけた。

「あなたって、同級生だったんだね。久しぶり」

 すると彼はびくっと肩を震わせて、結羽に顔を近づけて小声で話す。

「……僕と飛鳥が影闘士だって誰かに言った?」

 彼の質問の意図はよく分からなかったが、結羽は誰にも二人のことは言っていないので、首を横に振った。すると彼は安心したように深く息を吐きだす。

「……そっか。良かった。僕達、あまり影闘士だって知られたくないから……」

 そこで結羽は去年のクラスメイトとの会話を思い出した。

 ―――同学年では他に誰がいるの?

 ―――えーと……同学年だと、隣のクラスにいる下野さんくらいかな

 その時にクラスメイトから彼の名前が出てくることはなかった。どうやら彼は学校では影闘士だということを隠しているようだ。それで人通りの少ない道路で闘っていたのだ。自分に見つかってしまったのは本当に偶然だったのだろう。

「君には悪いんだけど、僕達が影闘士だってことは他の人には黙っててほしいんだ」

 知られたくない理由は分からないが、こちらがそれを他人に暴露する必要もない。

「うん、わかった」

 結羽がそう言うと、彼は表情を明るくさせた。

「ありがとう! えっと……」

 結羽は彼に右手を差し出して、微笑む。

「私の名前は胡蝶蘭結羽。あなたは?」

「僕の名前は二輪草(にりんそう)(はやて)だよ。よろしくね」

 颯は結羽の手を握り、にっこりと笑った。


登場人物の花言葉

二輪草:「友情」「協力」「ずっと離れない」

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