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群青の空へ  作者: 朝霧美雲
第三章 -The fate of the white-winged demon will change drastically-
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第13話「黒い意思を包み白く輝く」

商店街を歩いていた人全員が黒い霧によって倒れ、由比ちゃんまでも意識を失って倒れてしまった。

でもその瞬間、由比ちゃんから白い光の粒が少しずつ、徐々に量を増やして人の形を模していく。


「どういう事・・・?」


私と同じくらいの歳の、金髪の女性がその光から出現した。どうやら由比ちゃんには別の人も宿っていたみたい。

その女性がこちらを振り向くと、ニコッと微笑んだ。


「由比ちゃんを二人で守りましょうか。黒い神の男の手から」


「白炎の神様がいるなんて聞いてないけどね・・・!」


正直びっくりしちゃった。由比ちゃんが白炎の神様、もとい半神だった人と関わりがあったなんて。

生前の名前は知らないけど、この様子だと由比ちゃんの事が好きみたいだし、大丈夫かな。


「でも、天空神のキミとなら相性は抜群でしょ?」


「そうだね!」


私が手を合わせて祈り、彼女は片手を突き出した。横を見れば、同じようにこっちをチラリと見た。

そのまま同時に頷き、白い炎を巻き込んだ竜巻を発生させる。その竜巻は黒い霧を全て巻き込み、彼を巻き込んでいく。


「このまま!」


周囲にあった黒い霧は竜巻に吸い込まれ、白い炎によって全て焼かれていく。

事が終わり残ったのは倒れている人々と、由比ちゃんと、彼女。


「さてと、私の最後の仕事はこれで終わり。由比ちゃんが起きる前に帰らなきゃ」


「最後にいい?」


彼女が徐々に光の粒子となり消えていく前に、私は訪ねた。

由比ちゃんを助けてくれた彼女の名前を。


「私はリリー・ロックウェル。由比ちゃんが助けたかった人の一人」


「そっか。キミがそうなんだね」


「そして、由比ちゃんの師匠のクリス・ロックウェルのお姉さん」


由比ちゃんととても深い関わりのある姉妹なんだ。

どうやってこの事を由比ちゃんに伝えようか悩んでいると、リリーさんは首を振った。


「別にいいのよ。由比ちゃんにはこう伝えてくれればいいから」


「じゃあ、そうさせてもらうね」


そして私はリリーさんから一つ、由比ちゃんへ向けてのとても大切な言葉を授かった。


「そろそろ時間。いつか幽界あっちで会いましょ」


「そうだね。ではまた」


やがて、彼女の姿は完全に消えてしまった。

由比ちゃんが起きたら、授かった言葉を伝えなきゃね。


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