始まりの出会いはズレズレ 2
第3章
「佐藤 愛美です。好きなことはゲームです。でもテレビとかよく見るので、仲良くしてください!」
え、嘘だろ…いや、ありえん同姓同名ってだけだ。佐藤愛美なんて珍しい名前じゃない。そうだ。これはたまたまだ。なにも恐れるこ、
「久しぶりだね。菊池くん!」
「ワァァァァァァ」
俺の知っている愛美は、幼稚園の頃めっちゃくちゃ仲がよかった幼馴染で、活発なタイプだった。親同士も仲が良くて一緒に寝泊まりしたこともあった、と思う。それが今では、 なんと、 本当に、 超可愛い!
「ひ、久しぶり。」
今思えば、俺のこの物語はここから始まったと言ってもいい。ホームルームが終わるとすぐ愛美から話しかけてきた。
「菊池くん菊池くん、あの頃とは結構変わったねー。」
そっくりそのまま返したい。
「そーかなぁ?っていうかなんだよ。菊池くんとかw優希でいいじゃん。」
「それもそーだねー。久しぶり!優希。」
まて、顔が近い、そーゆーところは幼児のままか。しかし、見てみよう。髪は肩ぐらいまでの長さで顔は美少女。胸も、なかなか柔らかそうで引っ込んでるところは引っ込んでいる。背は俺より少し小さいぐらい。まずい。惚れてしまうかもしれない。そうゆうレベルだ。
つい顔が、赤くなりそうだったので、愛美に話しかけようと集まったクラスメイトの方にうながして、窓の外を見た。
この世に美少女なんていないと言った。しかしここにはいるのではないか。そう思った。
結局今日の授業は隣の美少女のせいで集中できず内容がほぼ入ってきていない。美とは罪だとつくづく思う。そう思い、自然に愛美を美少女だと認めていることに今更気づき。今までの自分責めながら帰ろうとカバンを持った。すると愛美が話しかけてきた。
「優希、一緒に帰ろ!」
「あぁ、いいけどお前家どこだ?」
「あーまぁ、今からわかるよ。」
そのまま帰ることになった。
「いやー、にしてもなんでお前はあの時急にいなくなったんだ?その前に教えてくれればよかったのに。」
「まぁ、色々とあってさ。」
色々ってなんだ??
「怒ってる?」
「別に、怒ってねーよ。」
「じゃあさ、私のこと、好き?」
「なんでそんなこと聞くんだよ。そりゃあまぁ、嫌いじゃないけど。」
「そっか。」
その時、おれは自分唇に温かいものを感じた。
「ごめんね。」
彼女は瞳に涙を輝かせながら笑っていた。さっきのをキスだと理解したのはこの言葉の後だった。そのあと、すぐに自分はこっちだと言って別れてしまった。
「結局家教えてもらってねーじゃんかよ。」
ふと顔を上げると、正面に夕焼けが輝いていた。
4章
次の日、愛美は昨日のことが嘘だったかのように普通だった。わざわざ昨日はなんだったのかを聞くのも勇気がなかったので、やめておいた。弁当の時間。
「愛美〜一緒に食べようぜ〜。」
何の気なしに、いつメンではなく愛美を誘ってみた。
「そーいえばお前ゲーム好きなんだっけ?おれも好きなんだよねー。なんのゲーム?」
「んーと、ゲームなら大体好きだけど、RPG系が一番かな。ボスを倒すためにコツコツやるのが好きなんだー。」
「まじで!?ちなみにタイトルは?」
「ホワイトクエストが一番好きだよ!」
「え!おれもそれ今一番好きなゲームなんだけど。あれ、RPGなのに、すごいストーリー以外も凝っててやってて楽しいんだよね。」
「分かってるねぇ。ほんとあのゲームの中に入ってみたいよ。」
キーンコーンカーンコーン
下校時間だ。
「一緒に帰るか?」
昨日のことを忘れていてつい誘ってしまった。これもキスされたことで、変に期待してしまっているのだろうか。
「ごめん。今日は無理かな。本当ごめんね。」
振られた、振られました。いや、別にこくってねぇし?脳内で勝手に意地を張って今日は1人で帰ることになった。
家に帰ると妹が出迎えてくれた。相変わらず可愛いぜ、まったく。さて風呂でも入るか。お風呂に浸かって妹が突入してこないかなーとか考えているとコンコンとノックの音が!
「お兄ちゃん、お父さん帰ってきたよー」
そうだと思ってました知ってました。軽く返事をしてご飯を食べて寝た。と言いたいがなかなか寝付けず、愛美と話したことを思い出して白クエをやっていたら意識がなくなった。