始まりの出会いはズレズレ 1
エピローグ
世界、それはたくさんある。自分から見た世界、友達から見た世界、先生から見た世界。
とまあ、こんな感じで色々な視点から見た世界があるのだが、これは、ある一人の少年から見た世界の話である。
第1章 過去と夢オチ
あぁ、うるさい。朝から不愉快だ。なんでこんなーーー
目覚ましを止め起き上がりカーテンを開ける。眩しい。毎日起きてすぐ感じるのが、このうるさい。眩しい。の、2つの不快感である。だがしかし、今日はそのあとすぐに明るい気持ちになった。何せ今日は、中学入学式!小学校の友人とも久々に会うことができ、新しい出会いも少なからずあるだろう。もしかしたら運命の人も…なんて、考えてしまう。あ、そうそう、俺は今日から中学生の菊池優希。春休みで、オタク入門になったそこそこ権力のある方の人間だ。昨日の夜のうちに準備しておいた服に着替え、顔を洗いに行った。いつもは妹が先にいて使っているのだが今日はいなかった。ラッキー!さっさと洗顔を済ませ食卓に向かう。ハイキタ俺の好きな食べ物。
「ごちそうさま。」しかし現実はそんないいことばかりなわけがなく朝のニュース番組の占いを見ていたら時間がまずい。急いでザックを背負い家をでる。
「行ってきます。」
入学当日に遅刻しそうになるとか、どっかのラノベの主人公かよ。このまま角で誰かとぶつかったりして… ドンッ!!
「あ、すみません」
おじさんだった。
「こっちもすまんねぇ、怪我はないかい?」
まぁ、人生なんてそんなもんさ。また走り出した。そのまま無事に学校に到着。入学式も普通に終わった。そしてそのまま普通に下校。って、ちょっとまった!おかしいよね。普通美少女と衝突したり、クラスメイトに美少女いたりするよね?いないんですけど。はぁー?まぁそりゃそうだ、現実に美少女なんているはずがない。そして俺もどこぞのラノベ主人公のように難しすぎるフラグを立てていない。帰ってアニメでも見よう。今日仲良くなった出水かおるに挨拶をする。あ、彼の名前はひらがなだ。珍しいと思う。さぁかえろうと思って時計を見たら見たいアニメが始まる時間だ!まずい。ダッシュで帰る。途中信号で止まったが、あ、ここ朝も引っかかったんだよなー。と思い通りすぎる。走る。走る。止まる。走る。あ、ここ朝おじさんとぶつかったところだ。あれはひどかったなぁー。普通にすみませんで、おわっ!ッドン!
「っいっつ!」
ん?なんだろう。この今まで感じたことのないこの柔らかさ、察し。目を開けたら案の定女の子とぶつかりまたがってその子の乳房に手をのせていた。
「いや、嘘でしょ。ここリアル。そんなマンガみたいに。ありえな、」 ッパン!
案の定右のほっぺに痛みを感じた。あ、この子左利きだ。いや、そんなことはどうでもいい。まずい。っぴょんと彼女の上から避け、顔を見つめる。その時俺は生まれて初めて神に感謝した。朝は眩しかった太陽が、心地よく感じた。
「あ、ご、ご、ごめんなさい!で、でも悪いのはあなたですよね?だって、私の胸に…」
「あぁはい。僕が悪かったです。すみません!大丈夫ですか?怪我とか。」
「大丈夫です!」
「それなら良かった。あの、失礼ですがお名前は。」
「あ、私は上原結衣って言います。あなたは?」
「俺は菊池優希って言います。今日は本当にごめんなさい。それではまた。」
やべぇ、あの人超かわいい。あんな美少女がこの世に存在するとは思わなかったよ。
さぁ!はようかえって、アニメを見よう!
今日も朝を迎える。眠い、だるい、痛いの
3大iだ。ちなみに今回の夢は美少女が、転校してくる夢だった。これは期待してもいい気がする。
「(さて顔でも洗いに行くか)」
洗面所に行くと、妹がいた。
「おっはー!」
「おはよう」
いつも通り妹が洗面所を占領していた。
こいつはやはりかわいいと思う。何せこいつは… ドンッドンッ!ドンッドンッ!
玄関を叩く音がする。妹にここにいろといって見に行った瞬間ドアが開いた。その瞬間体が凍りついた。完全に強盗だ。しかも二人。
顔に黒マスクをかぶり刃物を持ち後ろに車が準備されていた。
「おい!お前らをぶち殺して金を盗みにきた!」
その瞬間、母がリビングから出てきて二人のうち一人に飛びかかり、押し倒した。しかし、奇襲が成功しても仲間があと一人いる。母を殴り肩に包丁を突き刺した。
「逃げて!二人で!!早く!」
まずい。まずい。まずい。まずい。
やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい!
死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない…
「死にたくない!!!!」
刹那。 洗面所まで家の廊下を全力疾走。ドライヤーを使っていて状況がわからない妹を無理やりひっぱり父の仕事部屋へ。鍵をかけて窓の鍵を開ける。妹を先に外に出し外に出た。
「お兄ちゃん。なんで服に血がついてるの…
なんでそんなに急いで外に出たの?」
妹は泣いていた。そのとたん、強烈なめまいとともに気絶した。
第2章
目がさめるとベッドの上だった。つまり、
夢だった。夢オチかと笑わないでほしい。
この夢は実際の出来事でもあったのだから。
俺は昨日から高校一年生になった。妹は中学二年生になった。早朝に強盗に襲われた俺たちは母親を失った。父はあれから自分のことを恨み仕事と家事を一生懸命して、俺たちを育ててくれていた。いつものように朝ごはんを作り、食べて俺と妹しかいない家に行ってきますの挨拶をする。
すると妹が自分の部屋から出てきて
「私も行く。」
と、言い、靴を履き始める。
「お兄ちゃん!学校はどんな感じ?」
「うーん、まぁまぁかな。あ、でもすごいかわいい子が同じクラスだったよ。」
「えー、良かったじゃーん。」
「うっせーよw」
そんなことを話しているうちに妹の中学につき1人で登校をする。 ッドン!
「いってぇ」
「あ、ごめんなさい。お怪我は?」
美少女キタァァァァァァァァァァァ!
「あ、なんだよおめーかよ。」
「ん?かおる?ええぇぇぇ?かおる!?
普通そこ美少女でしょ。なんでこう俺のラブコメはズレたんだよ!意味わかんねーよ!」
「何言ってんだよ優希。妹が可愛いだけのお前がラブコメを語るな。クソガキ。」
「っんだとテメェ?調子のん、やっベー!遅刻するぞ!走れ!」
あ、彼は中学からの親友、出水かおる。おれがにわかオタクにしてやった仲間だ。
今現在その親友と仲良く遅刻しそうになっているところ。ーーー
キーンコーンカーンコーン
「ッセーフ!ッセーフ!っな?っな?」
「これはさすがにセーフですよね?先生!」
「もう1時間目始まりのチャイムだわばかもん!」
頭に痛みが走る。
「早く席につけ」
うぅ、入学二日目で、皆の視線が痛い。
席に着くと隣に1つ机が増えていた。
「ねぇ、これもしや転校生?美少女だったりして。」
「んなわけねぇだろ?夢見すぎだぞゆう。」
と、現実味を帯びた言葉を放つ彼は昨日話したら驚くほど意気投合した青葉 春樹だ。
「おいおい春樹。少しは夢を見たってバチは当たらないぞ?」そして何事もなくその日は終わった。
「(え、おかしいよね?転校生来るよね普通。さすがにわざとだよねぇ?)」
次の日、つまり入学式の二日後、転校生が来た。名前は佐藤 愛美 幼稚園の、ときの幼馴染だった。その後の出来事は言うまでもないだろう。なぁに、ただ愛美にファーストキスを奪われたってだけさ。