真剣の話
今日の稽古も型の練習だけで終わったところで、アレンが愚痴を漏らした。
「そろそろ木刀じゃなくて真剣使ってみてぇよなぁ…」
「あっ、それ賛成かも!」
「だよな!人形なんか相手にせずにモンスターとかをシュババ!ってさ!?」
若干興奮気味で二人は言う。時々ある会話だけれど森が近くにある俺たちにとって、遠い話題ではなかった。
「そういや俺の家に厳つい宝箱あるんだけどさ、それって剣とか入ってんのかな?」
ふとした疑問を口にした。隠してある風でも無かったのでなんでもないと思ってたから。
「えっ、すごい!宝箱ってあの宝箱!?」
「あのって言われても合ってるかどうかはわかんないけどな?」
目を輝かせて言うからちょっと引いた。
「ダンジョンのボスを倒さないと手に入らないやつのはずだぜ?しかも厳ついってことは武器じゃね!?」
「えっ、ダンジョンなんか行けそうなやつ俺の家にはいねぇよ!お前らも知ってんだろ?」
「そう…だなぁ…」
それでも!と言わんばかりにこの話題は帰路が別れるまで続いた。
真剣は使いたい、とは思う。けれど、俺に扱うことができるだろうか。宝箱の中身に少しだけ期待しながら、そんな不安も抱くのだった。
森にはモンスターがいて、身を守るには生命を斬るしか無くて、騎士になるためには、人相手でも血を見なければならないのは事実だから。
最近題名付けすごく困ります。どこかでつけ方変えようかなぁ…