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俺津英四郎は叫ぶ 「俺Tueeee!シロ!!」

作者: 上上手取

ふと思いついたので書いてみた

 俺の名はスクガミ・ヨウスケ。元は地球ってところに住んでいたんだけどなんだか訳の分からない事故で死んだらしくなんだかんだでこの世界にチート持ちで送られることになった。最もあの地点で人生終わりだなんてのはゴメンだったし異世界でも人生の続きを生きていけるというのはありがたい。残念なのは親兄弟や友人たちに別れを言えなかったことだがその辺も神様が夢枕に立って説明してくれるらしい。俺自身が夢枕に立ちたかったのだがなんでも俺の他にも異世界に送る人間がいるらしく追い立てるように放り出された。


 放り出された先は何もない平原。今までテレビでしか見たことのないような広大な景色に最初は感動したものだがすぐにその気持は消え去った。魔物、この世界では魔王の手下らしい、が俺に襲いかかってきたのだ。

 日本にいた時は当然戦いの訓練なんてしていなかったので俺は即効逃げ出した。一時間ほど追い立てられたところでチートをもらっていたことに気づきなんとか危機を回避することに成功した。この時思ったね、こちらの世界では魔物と戦うような危ないことはせずに生きていこうって。


 たまたま通りかかった行商人のおっちゃんがいい人で馬車に乗せてもらい三時間ほどで城壁で囲われた都市についた。都市に入るにあたり入場料がかかったんだがここでもおっちゃんの世話になることになった。この恩はいつか返したいと思っている。


 さて、無事都市に入ることができた俺だが身元不明の人間が手っ取り早く生きていこうとするには冒険者になるしかなかった。幸いギルドカードの発行手数料は街の中の簡単なクエストを行うことで代替が効き助かった。

 無事冒険者になることができた俺だが外には魔物がいる、俺は戦いたくない、とくれば必然と街の中の雑用クエストを受けることになる。大体1つにつき2~3時間で終わるので日に3つも受注すれば宿代とメシ代で釣りが出る。ゆくゆくは家を持って可愛い嫁さんも欲しいとは思うが今はこれで十分だろ。





 それはある日の出来事だった。俺は受注した仕事をすべてこなすとギルドへ報告しもらった報奨金で夕飯はどこの店にするかと考えながら歩いていた。


 ~~♪~~~~♪~~~~~♪


 すると突然どこかで聞いたような音楽が流れてきた。この世界では聞いたことのない音色なのに聞いたことがある。ということは地球で聞いたことのある音楽のはずだ。神様は俺の他にも転生者がいると言っていた。ならこの音楽はその転生者が奏でているのか?

 その時の俺は同郷者がどんなやつなのかが楽しみで音楽が鳴っている方向へ駆け出していた。今思い出せばこの時の俺を殴りつけてでも引き止めたい。


 お……つ~え……ろ~♪~~~~


 音がなっていた大本にはこの世界には存在しないはずのCDラジカセと道着姿の男が一人立っていた。あの道着は柔道着か? ならやっぱり地球からの転生者だ! 俺はその人物に駆け寄ろうとしたが逆に一瞬で間合いを詰めてきたその男に投げ飛ばされた。


「俺Tueeee!シロ!!」


 何がなんだかわからなかった。せっかくの同郷者に会えると意気込んでみれば突然投げ飛ばされ地面にたたきつけられる始末。何者だこいつ。


「君は……異世界転生に真剣に取り組んでいるか?」


 眼光鋭く問いかけられたものに俺は一瞬躊躇する。真剣……真剣? 真剣だとも! 俺は死なないように毎日真面目に街の中のクエストを受けている。


「もちろんだとも! 俺は毎日糧を得るためにクエストをこなしている!」


 俺はそう断言する。


「今投げ飛ばした一撃……これはシクタニ狭のトロルの一撃に匹敵する……それを受けて平然としているお前が街から一歩も出ない……これのどこが真剣か!」


 よくよく俺の周囲を見やれば俺を中心にクレーターができていた。た、確かに神様には並大抵のことでは傷つかないに身体をもらったがそれとこれとは……くっ!

 思考の途中でネック・ハンギング・ツリーを決められ体が持ち上げられる。しかも片腕で。なんて力をしているんだこいつ!


「俺Tueeee!シロ!! 俺Tueeee!シロ!! 骨が折れるまで! 魔力が枯れるまで!」


 男はそう俺に向かって叫びつける。な、何を言っているんだこいつ……オレツエー? 俺が強い? 俺が強いと証明しろっていうのか! い、いやだ! 俺は平穏な人生を送るんだ! 


「見ろ、あの山を……あの山を一つ越えた先にワイバーンが三体ほど住み着いて皆が迷惑をしている……今こそ俺Tueeeeの時……」


 男が見やる先は城壁に阻まれ山など見えなかった。……いまので確信した。こいつ人の話を聞かないタイプだ。


 そうこうしているうちに男は俺を肩に担ぎあげそのまま町の入口に向けて疾走してゆく。ちょ! まさかこのままワイバーンとやらを退治に行くつもりか! 待て待て!

 そんな俺の動揺を知ってか知らずか男は俺に微笑みかけるとこういった。


「心配するな……俺Tueeeeの神はいつでもお前に微笑んでいる……」


 駄目だこいつ、早く何とかしないと……っていうか誰か助けて~!!





 その後俺はワイバーンを倒した功績で冒険者レベルが上がり様々な事件に巻き込まれてハーレムを築きつつとある国の王様に収まるのだが……正直きっかけがこんなんだなんて俺は認めない。


同種の存在に悪役伝道師ZAMAがいるとかいないとか

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