第2話 最悪の起床
「アビリティーウエポン?」
「そう、それぞれがそれぞれの能力を持つ武器。」
「いやいや、ちょっと待て。どうみてもただの女子高生じゃん。」
「ほとんど、いつも人の形態なの。」
「へー、そうなの」
「あと私は零。」
「分かってるよ。」
「つまんなーい。」
もうやだ、この人。
「聞こえているよ。」
げげっ
「あー、もう限界。」
バタッと倒れた。
「ふあー」
クレセリオンが起きた。
「マスター、おはようございます。おやすみなさい。」
Zzzz
寝てしまった。
てか、はやっ。
何なのこの子。
バタバタと足音が聞こえ、バーンとスライド式のドアを思いっきりまっすぐ蹴った。
もちろん、俺じゃない。
妹だ。
「ごめん。ドア壊しちゃった。」
この、馬鹿妹め。
幸い、ドア自体は壊れた訳ではなく。そのまま抜けたらしい。
しょうがないなとドアを直そうとドアの前に行くと
ドーーーーーーーーーーーーーン
次は父さんだった。
今度はドアが真っ二つになり、病み上がりの俺ごと本来ドアがあるべき場所から飛ばされていた。
「美少女に囲まれているなんて、おまえも隅におけないなー」
ホレホレと父さんが言った。
今あんたのせいで死にかけてるんだぞ。
「大丈夫、兄さん?」
これお見舞いと付け加えて出て行った。
フハハハと笑いながら父さんも出て行った。
父さん何かいってけよ。病人だぞ!
「生きてて良かった。」
黒髪さん。
「君誰?」
と、俺。
「自己紹介の時言ったじゃない、由紀よ。」
普通、中身と違って普通だった。
「由紀さん、帰ってくれません。」
「冷たくない?」
「俺はこの子と話したことがあるから。」
と言ったら、泣いてしまった。
「ウワーーーン、せっかく人が心配してあげたのに。」
「分かったよ。」
「そう、分かればいいのよ。」
うぜー、上から目線かよ。
「おい、クレセリオン」
まだまだ続きます。