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第二十話

『はい! お料理チャンネルの威信にかけ、あの例の米屋さんのおにぎりを再現してみたいと思います。材料はこちら。手順は……――』

 ――――再現出来ずに炎上


『美食チャンネルの時間だよ! みんなー見てる? 今回用意したのはこちら! 高級店で提供されるおににぎりと今話題のお米屋さんのおにぎりを味比べしてみたいと思います! もぐもぐごっくん。実は大したことないみたい。やっぱり高級店のおにぎりが一番!』

――――有志による検証により、お米屋のおにぎりが偽物とバレ、炎上


『謎の料理人が作っていると噂のお米屋さんのおにぎり。その正体を掴むべく、張り込みをして突き止めるぜ!』 

――――不審者だと通報され炎上


 例の僕ちゃんことゆーたんの話題が飽きた頃にまるで見計らったかの様に次の炎上ネタが用意されており、燃料が投下状態なのである。必然的にネットで話題にされ続ける羽目に陥っていた。


 そんな中、それがチャンスだ。ここぞとばかりに利用するべきと希望を持ち、平和通サンロード商店街が動きをみせていた。まず、発破を掛ける。当たり前のことだが気分開店を決めることなく、しっかりと店をオープンさせ、閉店時間もきっちり守らせた。シャッターをしめていた店で完全に潰れてない店にも声をかけ開けさせる。新商品を用意させ、仕入れを改め品物をちゃんと用意させる。


 家族、知り合い、友達などを総動員させ景気良い掛け声をかけて呼び込みをしたのだ。それが最低限のデフォルト状態。


 ここからタックトックというショート動画を投稿するサイトを利用している若者を呼び込むため、おにぎりを食べる姿を積極的に撮影出来るスポットのスペースを作ったのだ。写真を撮影しても良し。踊ってよし。配信してよし。

 三拍子揃えるだけでなく、梅さん所有で使わないからと放置していた付近の空き店舗を利用して、有料制の化粧品・コテ・アイロン・着替えスペース完備のパウダールームを用意したのだ。本当はおしゃれに改装もしたかったのだが、そこまでは残念ながら無理だった。


 映えるというのは商店街のおじさん達にはさっぱりだが、璃々達は現役の高校生だ。学校に行けば気軽に情報を集めることが出来る。


 とはいえ、急に女子高生になってしまった璃々にとってはハードルが高いと思われた。ところが、ここで連が思わぬ活躍をした。普段、全く交流など皆無で不要と断言している筈の男が自ら女子生徒に話しかけたのだ。女子が狂喜の阿鼻叫喚だったことは言うまでもない。璃々は嫉妬されると思っていたのだが、寧ろ連の雰囲気が柔らかくなり交流出来る様になったとお礼を言われていた。

 

 更に、あのキッチンの窓で出会った金髪男も自分が通う学校の女子生徒に聞き取り調査をしてくれたらしいのだ。という訳で、それぞれの意見をまとめた集大成だったのである。


 この試みは若者にヒットした。つぶやきアプリで写真付きの投稿。おにぎり目的以外にも感想や使い心地、こんな場所があるんだと発信されて、その内の一つがバズったのだ。よいね! も沢山ついたのだが、拡散に次ぐ拡散でかなりの人物の目に入ったと言える。


 それだけではない。ダメ押しとばかりに、攻勢は続く。今度は写真投稿アプリに狙いを定めたのだ。タグを利用したキャンペーンを打ち出した。話題の商店街で流行のおにぎりの写真を撮るだけだと勿体無いという趣旨である。


 #平和通サンロードの日常

 

 というタグをつけて写真投稿。商店街の町並みや景色や商品。そこに住んでいる人々や実際に暮らしている姿などテーマのチョイスは様々。その中から定期的な周期でいくつかピックアップ。採用された作品は名前入りで商店街の公式ホームページに掲載されるだけではなく、話題のおにぎりの(事前に電話予約必須での)優先購入権を手に入れられる特典まで用意されていた。

 

 これだけでも実際にめちゃくちゃ効果抜群であった。今までは駅前のおしゃれな店がある場所に集中していた若者達がドッとこちらに流れてきたのだ。近隣の地域だけではない。わざわざ旅行ついでに寄る人や、噂のおにぎり目当てで遠方から来る人々まで登場したのだ。あと、話題になった影響からかなんとなく興味を持つ人もやってくる。

 すると、この地域に元から住んでいる人はちょっとした優越感を味わう。自慢げに商店街を闊歩するのである。


――――これが璃々の一つ目の案。『若者を呼び込む』というものだった。


 もちろん、どうせならば若者以外も狙いたい。璃々は第二の案も用意していたのである。


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