ep37 田網斗羅恵
リビングのソファーに腕と足を組んで高慢そうに座す斗羅恵。
斜向かいのソファーに俺とネーコが並んで腰かける。
「トラエ。貴女も私と同じ目的でここにやって来たのですか?」
「そうだ。未来の井藤総理大臣の病的で異常なオンナ好きを直すため、過去の井藤フミヒロ少年のもとへやって来たというわけだ」
彼女の言葉を聞くと、俺の頭に突然もわぁ〜んとある考えが浮かぶ。
(ということは......この金髪のトラエってコも俺に〔セクシープログラム〕を!?)
気が強そうでちょっと怖そうだけど......
金髪の外国美女って感じの雰囲気で、ネーコとはまた一味違うモノがあるな。
イイかも......て何を考えているんだ俺は!
「オイ、井藤フミヒロ」
目の前でもんもんと妄想を膨らます中学生二年生男子にトラエが呼びかけてきた。
「は、はい」
「そういうわけで今日からワタシはネーコ同様、貴様へSPを行う」
「エスピー?」
「ん?〔セクシープログラム〕をやっているんだろ?」
「あっ!そういうことか」
「といってもワタシのSPは違うがな」
「えっ??」
「ワタシの行うSPは、
〔ストロング・プログラム〕だ!」
「えええ??」
*
近所の公園。
ジャージ姿の俺は仁王立ちのトラエと向き合っている。
なぜかというと、
「すぐに運動しやすい服装に着替えろ。公園へ行くぞ」
トラエに指示されたからだ。
またトラエはこうも付けくわえた。
「ネーコは家にいろ。これはワタシが行う〔ストロング・プログラム〕だ。〔セクシー・プログラム〕のお前には関係ない」
よって、今ここにネーコはいない。
「......」
俺はトラエの醸しだすピリピリした空気に気圧されていた。
ネーコと同じ美少女アンドロイドというのに...トラエの纏う雰囲気はネーコのそれとは全然違う。
「あ、あの、トラエさん」
「なんだ?」
「これからなにを始めるんですか?」
「今少し考えている」
トラエは仏頂面で応えた。
彼女とネーコの違い...それは単に外見上の違いからくるものではない。
無茶苦茶やってきて困らされながらもなんだかんだネーコは優しい。けど、トラエからはそういうものを感じられない。
まだこのコのことをよく知らないだけかもしれないけど......。
「......よし。やはりシンプルがいいだろな」
どうやらトラエは何かを決定したようだ。
「あの、トラエさん?」
「井藤フミヒロ。今からワタシを力でもって制圧しろ」
「は?」
「二度言わせるな。ワタシを倒せと言っているんだ」
「いや、ええっと.......意味がわからないんですが...」
「貴様は馬鹿なのか?ならシンプルにわからせてやろう」
トラエはつかつかと俺に接近してきたかと思うと、もろに腹へドゴォッ!と蹴りを入れてきた。
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