永遠
すると私のポケットの中が大きく光りはじめた。
あの懐かしい金色の透き通った魔法石がふわりふわりと浮遊した。
それは彼の胸元に導かれるように2、3回ふわふわと跳ねる。
そしてその光を放った金色の透き通った魔法石がジェラルドの胸の中に吸い込まれていった。
すると彼の体が輝きに包まれた。
みるみるうちに怪我が治っていく。
しばらくして完全に怪我が治るとジェラルドは目を開けた。
「…リオ。一体何が?」
「…ジェラルド!」
目を覚ましたジェラルドを私は抱きしめた。
そして話を続けた。
「私も何が起きたか、わからないの。ただ私の持っていた金色の魔法石が突然輝き出して浮遊したと思ったら、貴方の胸に吸い込まれていった。そしたら怪我がなって目を覚ましたの。」
私は涙を流して彼を見つめた。
「そうか。君の魔法石が俺を救ってくれたんだな。」
そういうと私の涙を拭った。
「リオ…ありがとう。」
私は彼をしっかりと抱きしめた。
それから数日が経った。
アンナの怪我は酷かったものの命に別状はなく、カインもルシードもなんとか無事に回復した。
ジェラルドはまだベッドに横になって休んでいた。
私は看病しながらジェラルドの黒髪を指で撫でた。
それに気づいた彼は黒髪を触っていた手を握りベッドに引き込んだ。
そして軽く私の髪にキスをする。
ジェラルドは握っていた私の手を自分の胸に当てた。
「リオ、俺はリオのおかげで生きているようだ。俺の中の魔法石の役目が終わり、結びつきの深かった君の魔法石が俺の中にきた。こんなこと初めてだ。きっと奇跡の聖女だから成し得たことなんだろう。まさに運命だな。」
そういうとジェラルドは私を優しく包み込んだ。
私は少し顔を上げて彼を見つめた。
「ジェラルド愛してるわ。」
彼は愛おしそうに微笑みかけた。
「俺もずっと愛してる。」
そして、2人は見つめ合いキスをした。
ゆっくりとした時間が流れていく。
彼との出会いはきっと運命だったのだろう。
そして私たちは2人でこれから時を重ねて歩んでいく。
この恋心は永遠に。
最後まで読んでいただきありがとうございました。




