再会
ジェラルドが返してくれた記憶は、私の奥深くにある魂と繋がっていくような気がした。
私は間違いなくこの世界にいた。
そして、その愛おしい彼が目の前にいる。
「…ジェラルド。」
そういうと私は彼の胸に飛び込んだ。
「待っていてくれたのね。」
私は涙ぐむ。
「約束したからな。」
彼は優しく微笑んだ。
「ちゃんと、私のことわかってくれたんだ。」
「当たり前だ。」
そういうと彼は優しく髪を撫でた。
私はジェラルドと一緒にルークとローズが貸してくれた緑の屋根の家に向かった。
「ここが昔の私が住んでいたところよ。」
そういうと少し心配そうに彼は私の肩を優しく抱き寄せた。
「ありがとう。でも、もう大丈夫。」
私は彼の金色の瞳を見て言った。
「貴方のおかげで運命も変わっていたわ。」
私は先ほど会った家族を思い出した。
「俺のおかげじゃない。君自身が変えたんだ。」
彼は力強く私を見た。そして2人で家に入った。
とりあえず、2人はソファでゆっくりした。
「懐かしい。」
私は彼を見つめ、そう呟くと、そっと彼の頬に触れる。
「もう、ひとりはごめんだ。」
彼は悲しみの表情を全面に出し、私を強く抱きしめた。
「ジェラルド、約束するわ。もうあなたを置いてどこにもいかない。」
爽やかだけど少し甘い彼の懐かしい香りに包まれながら、私は応えるように背中に手をまわした。
また、久しぶりにジェラルドとの生活が始まった。
昔のように食事をとった後はソファーでゆっくり話をする。
「私、リオっていうの。ここに来るまでは全く違う世界で暮らしてた。戻り方もわからないし、戻るつもりもないけど。」
私は笑って言った。
「リオ…。いい名前だな。」
私の頬を撫でながら確かめるように呼んだ。
「なんか恥ずかしい。」
少し照れると彼は赤くなった頬を指でつつき、2人で笑い合った。
「そういえば契約ってまたしなくていいの?」
私はふと疑問に思ってきいた。
「それが不思議なんだが契約が破棄されてないんだ。今までこんなことはなかったんだがな。」
彼は考えながら言った。




