具合が悪い時に見る夢
森の中に立っていた。
新緑が爽やかな木立の中だった。
点々と敷かれた白い石畳を歩いていくと、石造りの美術館が建っていた。
そこは、いわゆる現代アートが展示された美術館で、ガラス張りの壁の中には、一面に銀粉を振りかけた巨大なキャンバスや、矩形と円錐を組み合わせたような無骨な鉄の彫刻など、作者は不明だが、立派な芸術品が並んでいた。
展示室の横には土産屋もあった。
土産屋には、小ぶりのアート作品の他に、富士山の形をしたビールグラスや、土づくりの湯呑みなど、意外と庶民でも手の届く品が並んでいた。私は家で愛用している、赤い鸚鵡のマグカップと同じデザインの品を見つけ、しめしめ予備になるぞと、ほくそ笑んで一つ買った。
建物を抜けて中庭に出た。
中庭は一面芝生で、大勢の人が行列を作っていた。芝生の奥には茶室のように小さな建物があり、係員が先頭で列を少しずつ通している。ははあ、中で秘宝を見せてくれるらしい。1人ずつ入るようだ。私はワクワクしながら並び、すぐに順番はやってきた。
白い小さな扉を開けると、中は暗く狭かった。
薄暗い廊下を何度か曲がり、ようやく明るい展示室にたどり着いた。
そこには、金色の裸の男性像が、巨大なアナルを私に見せていた。
私はそこで目が覚めた。
具合が悪い時に見る夢なんて、全くろくなもんじゃない。
2021年5月28日(金)の日記より。