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ある街の独白  作者: キシ ゲキセイ
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7



ここで、私自身の変化にも気がついた。


私はこの街そのものであり、それを支える大地だ。


以前は、私の感覚は街全体に散っていた。


どこで何が起きているかを、私全体で感じ取っていた。


しかし、今は違う。


私の感覚は、この社に集中している。


私自身が社を中心として存在しているような感覚だ。


社から遠くなるにつれて感覚がボヤけていくのがわかる。


はて、いつからだろう。


不思議と不快ではない。


社が、ほぼ街の中心に位置していることもあってか違和感は少ない。


この変化は、子がもたらしたものだ。


私はこれからも変わっていくのだろうか。



さぁ、この子に着る物を用意しなければ。


私はこの日の社の中の栄養を吸収した。


この中に、子に合う服があるやもしれぬ。


私は、私の中を巡る物に意識を向ける。


栄養として送られてくる中で衣服は少ない。


布は貴重だからだ。


袖口が破けたシャツが1枚あったが、子には大き過ぎるようだ。


所々虫食った大判の布もあった。


服とは呼べないが、今回のところはこれにしよう。


私は、その大判の布を地上に吐き出した。


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