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ある街の独白  作者: キシ ゲキセイ
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6



子はもう赤子ではない。


背丈は、既に乳の実の木とさほど変わらない。


ここで私はあることに気がついた。


人は服を着る。


成長に合わせて布や皮を組み合わせ、それを服にして着用する。


この子は何も身にまとっていない。


赤子の時に寝かされた時のまま、小さな毛布を寝床にしているだけで、その身には何も着けていない。


社に訪れた人がこの子を見ないようにするのは、この子の身なりのせいかもしれない。


私は、この子のいく先を思い悩んでいたはずなのに、急に、人としての在り方が気になってきてしまった。


この子に、人として恥ずかしくない格好をさせねば。


そんな思いでいっぱいになった。


今思えば、この時既に、私は子の親のような気になっていたのかもしれない。


消化するかどうかで悩んでいたはずが、子の身なりを気にする時点で答えは出たも同然だ。


私は、この社で、この子を育てていくことに決めた。

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